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社説

過去最大の予算要求 借金漬けを顧みぬ法外さ

 1000兆円を超す国の借金を顧みないような法外な要求だ。

 来年度予算を巡る各省庁の概算要求は総額で過去最大の102兆円台後半に達した。年末の編成で絞り込んでも当初予算は初めて100兆円の大台を突破する可能性が高い。

 積極財政を進めてきた安倍政権の下でも、とりわけ膨張が際立つものになった。

 要求は目白押しである。

 社会保障費が大半の厚生労働省の要求は32兆円近くと過去最大になった。高齢化による伸び6000億円をどこまで抑えるかが編成の焦点なのに、肝心の数値目標はない。

 公共事業費も今年度予算比2割増の6兆円強と大幅に増えた。西日本豪雨を受け防災を強化したというが、国土強靱(きょうじん)化にかこつけた非効率な事業が紛れ込まないだろうか。

 政権が重視する防衛費も過去最大だ。人づくり革命などアベノミクス関連もふんだんに盛り込まれた。

 さらに政権は来年の消費増税に合わせ大型の景気対策を行う方針だ。しかも概算要求とは別枠である。

 ここまで膨れあがったのは、安倍政権が痛みを伴う歳出抑制を避け、経済成長による税収増を当てにした財政運営を続けているからだ。

 来年度は、政権が策定した新たな財政健全化計画の初年度である。ところが、概算要求にたがをはめる上限の設定は6年連続で見送った。

 参院選を控え、歳出拡大を求める与党の声も意識しているのだろう。これでは健全化も名ばかりだ。

 そもそも成長頼みの健全化は行き詰まっている。従来の計画は見込んだほど税収が伸びず、新計画への見直しを迫られた。歳出抑制の重要性がよりはっきりしたはずである。

 団塊の世代が75歳以上になり始める2022年から、社会保障費はもっと増える。その前から歳出をできるだけ抑えないと、次世代への借金のつけ回しが膨らむばかりだ。

 まして消費増税で国民に負担を求める以上、無駄を徹底的に省かなければならない。めりはりのある配分の必要性は一段と高まっている。

 安倍晋三首相は自民党総裁選に3選をかけて出馬する。さらなる長期政権を目指すのなら、次世代につけを回さない財政にする責任もより重くなる。

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