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団栗

火付け鳥?=渡辺政隆

 <団栗(ドングリ)>

     北半球を猛暑が襲った今年の夏。アメリカ西海岸やヨーロッパでは大規模な森林火災が発生した。大きな経済的損失をもたらしたわけだが、本来の自然生態系では、火事も自然の摂理の一環だった。

     その顕著な例がオーストラリア。現地ではブッシュファイアと呼ばれる火事によって疎林が定期的に焼き払われ、草原から疎林、再び草原というサイクルが定着してきた。それと同時に、火事に適応した動植物も進化した。

     ユーカリの幹は、樹皮に含まれる樹脂によって火から守られており、火が収まると、焦げた樹皮を破って若芽が伸びてくる。バンクシアの硬い球果は、火に焼かれることで殻が開き、種子が落下する。樹木自体は燃えてしまうが、種子は日が差す焼け跡で発芽し、灰を肥やしに成長する。

     5万年ほど前にオーストラリアに渡った人類も、ブッシュファイアを活用してきた。計画的に火入れすることで、食用に適した植物の芽吹きを促すと同時に、茂みに隠れていた小動物を追い出して狩るようになったのだ。

     トビとチャイロハヤブサという猛禽(もうきん)も、ブッシュファイアに便乗する。火事場の縁(へり)で獲物を狙う姿がしばしば目撃されるのだ。狙いは、火に驚いて飛び出すトカゲやヘビ。それどころか、ときには小枝の燃えさしを別の場所に運んで火入れをするとさえ言われている。ヒクイドリという鳥はいるが、こちらはさしずめヒツケドリか。(筑波大学サイエンスコミュニケーター/教授)

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