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コソボ

セルビアと領土交換検討 欧州は強い懸念

領土交換の対象となっているコソボ北部・ミトロビツァ。セルビア系住民が多数派で、街にはセルビアの旗が掲げられている=2018年2月8日、三木幸治撮影

 【ウィーン三木幸治】2008年にセルビアから一方的に独立を宣言したコソボとセルビアの間で、「領土交換」が検討されている。セルビア系住民が多数派を占めるコソボ北部とアルバニア系住民が多数派を占めるセルビア南部を交換し、両国の関係正常化を目指すというのだ。だが民族対立の末、1990年代に紛争が起こった旧ユーゴ諸国で国境を変更するのは「禁じ手」。ドイツなど欧州諸国から強い懸念の声が上がっている。

 セルビアのブチッチ大統領とコソボのサチ大統領は7日に、欧州連合(EU)の仲介を受けブリュッセルで会談することを決めた。領土交換を議論するとみられる。

 98~99年のコソボ紛争を経て、「独立」したコソボと独立を認めないセルビアの対立は根深く、EUが支援する両国の関係正常化はこれまで大きく前進することはなかった。原因の一つがコソボに住むセルビア系住民約15万人とセルビアに住むアルバニア系住民約6万人の処遇だ。ブチッチ氏とサチ氏は、セルビア系住民、アルバニア系住民が集住する地域を「交換」することで、障害を取り除くことを検討している。

 これまでも領土交換の話は浮上したことがあるが、米国や欧州諸国が強く反対してきた。国境線を引き直した場合、両国内で民族間の緊張が高まる可能性があるほか、今も民族対立を抱えるボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニアなどの近隣諸国に悪影響を及ぼしかねないからだ。

 今回、領土交換を検討する機運が高まったのは、米国が態度を変更したからだ。ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は先月24日の記者会見で「もしセルビアとコソボが合意できるなら、領土交換(の選択肢)も排除しない」と述べ、両国の協議を後押しする考えを示した。米国がなぜ意見を変えたのか不明だが、トランプ米大統領の意向が働いた可能性もある。だが欧州諸国は「(両国民の)傷を再び顕在化させることになる」(マース独外相)など反対の姿勢を崩していない。

 セルビアとコソボが悲願とするEUへの加盟には、両国の関係正常化が条件。そのため、ブチッチ氏とサチ氏は国内の反対勢力からも理解を得られる妥協点を見いだそうとしてきた。もし領土交換が実現すれば、両者とも国内に「一定の成果」をアピールすることができる。

 「年内」の関係正常化を公言してきたブチッチ氏は先月25日、オーストリアで開かれたパネルディスカッションで「我々はセルビアとコソボの将来を考えている。他の国々に迷惑はかけない」と強調。7日の協議後、コソボを訪問することも決めた。サチ氏も「(両国が)新しい歴史を作るときが来た」と交渉妥結に強い意欲をみせている。

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