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余録

北側廊下に沿って4間(7.3メートル)×5間(9メートル)の教室が並ぶ学校の校舎の思い出は…

 北側廊下に沿って4間(7・3メートル)×5間(9メートル)の教室が並ぶ学校の校舎の思い出は、ある年代以上なら全国共通である。それらの校舎の基準は台風で確立された。1934年9月に列島を縦断した室戸台風だ▲上陸時の中心気圧911ヘクトパスカルだったこの台風は風速60メートル超の強風と高潮で京阪神に大被害をもたらした。その惨禍(さんか)は当時の新聞のトップ見出しが物語る。「大阪府下の学校倒壊 実に百四十三校の多数/哀れ学童の死傷二千四百名」▲学校防災を求める世論は沸騰し、文部省は校舎の構造の詳細、工法まで定めた「学校建築物の営繕並(ならび)に保全に関する訓令」を発した。昭和の校舎の思い出が全国共通なゆえんである。台風が公共施設のあり方を一変させたことになる▲この室戸台風にたとえられた台風21号である。やはり近畿地方を中心に強風や高潮による犠牲者と被害が出た。なかでも全国の耳目を集めたのが、関西空港の高潮による水没と、強風にあおられた船の衝突による連絡橋の途絶だった▲空港で一晩孤立した客は無事だったが、全面再開の見通しは立っていない。いうまでもなく海外の観光客ら年間2880万人が利用し、今年度は3000万人突破がめざされていた国際空港である。地域経済への影響は計り知れない▲人の側に手抜かりがあれば、必ずそこを突いてくる自然災害だ。海上の交通インフラの弱点を台風が見逃すはずもない。荒っぽくなる一方の気候変動に応じた策が求められよう、その営繕と保全である。

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