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15歳のニュース

天才高校生棋士・藤井聡太七段、強さの秘密と素顔に迫る

藤井聡太七段=大阪市福島区で8月24日、久保玲撮影

 中学生でプロの将棋棋士(しょうぎきし)となり、今年5月、史上最年少にして最速で七段に昇段(しょうだん)した藤井聡太(ふじいそうた)七段(16)。「400年に1人の天才」と呼ばれる強さの秘密と高校生の素顔に迫(せま)った。【聞き手・長尾真希子(ながおまきこ)】

 --今後の目標は?

 もっと実力をつける必要があります。その上で、タイトルを目指していきたい。

 --いま将棋界は「戦国時代」と言われています。

 タイトル戦を見ても拮抗(きっこう)した戦いになっていると思う。自分も棋士なので、そこに割って入りたい。

 --あこがれの棋士は?

 子どものころは羽生善治(はぶよしはる)先生や谷川浩司(たにがわこうじ)先生に純粋(じゅんすい)に憧(あこが)れていました。いまは谷川先生や羽生先生の長所や自分にはないところ、あるいは立ち居振(いふ)る舞(ま)いを見習っていきたい。

 --集中力を高めるために何を?

 特にないですね。ただ、詰(つ)め将棋を解くことは集中力を養うためにも有用かなと思います。

 --最も印象に残る一手は?

 最近の将棋になってしまいますが、竜王戦(りゅうおうせん)5組決勝で石田直裕(いしだなおひろ)五段との対局で4七歩と打った手があります。自分の第一感で思いついた手ではなく、考えているうちにこういう手もあるかなと思ったので、自分の将棋を少しでも広げることができたかなと思います。

 --将棋ソフトの利用は?

 それなりに活用していますけど、ソフトの将棋をそのままトレースするのではなく、自分の将棋の枠(わく)を広げるために利用していきたい。

 --自分の形勢判断とソフトには違(ちが)いがありますか。

 局面によりますが、全然違うということは少ないですね。読み筋に関しては、違うときも多いです。「こういう指し方もあるんだ」と思わされることもあります。でも、ソフトをうのみにするというより、自分なりに解釈(かいしゃく)して考えを取り入れようと思っています。

 --起床(きしょう)と就寝(しゅうしん)は何時ですか。学校以外の時間の使い方は?

 午後11時ごろに寝(ね)て、朝7時前に起きることが多いです。どちらかというと朝は苦手です。学校以外の時間は、将棋が7~8割ぐらいかなという気がします。

 --勉強する時の文房具(ぶんぼうぐ)は?

 こだわりはないです。普段(ふだん)はHBのシャープペンシルを使ってますが、それがBになってもたぶん気づかないです(笑い)。

 --学校で楽しいこと、逆に行きたくないことは?

 自分の好きな教科の授業は受けていて楽しいです。数学や世界史は結構好きです。逆に苦手科目がある日は憂鬱(ゆううつ)です。中学生のころは、美術と音楽が苦手でした。高校は選択(せんたく)制なので、中学の時より楽しく行けてるかな。

将棋界は戦国時代 8大タイトル8人で分け合う

 将棋(しょうぎ)の世界は八つのタイトルを8人が分け合う「戦国時代」に突入(とつにゅう)している。複数タイトルを持つ棋士(きし)がいないのは31年ぶりだ。8人のうち半数は、この1年でタイトルを得た20~30代の若手棋士たち。若手の活躍(かつやく)が将棋界全体を活気づけている。

 ここ20年ほど「絶対王者」として君臨してきたのは羽生善治(はぶよしはる)さんだった。羽生さんは1989年に初タイトルの竜王(りゅうおう)を獲得(かくとく)、96年に当時の全タイトルを独占(どくせん)する7冠(かん)を達成した。その後もトップ棋士として活躍を続け、昨年には永世称号(えいせいしょうごう)の制度がある7タイトル戦すべてで永世資格を持つ史上初の「永世7冠」となった。その羽生さんがここ数年は20代の若手にタイトルを奪(うば)われることが相次いだ。

 始(はじ)まりは2016年の名人戦だった。羽生さんを破って当時28歳の佐藤天彦(さとうあまひこ)名人が誕生し、潮目が変わった。昨年は羽生さんからタイトルを奪って菅井竜也(すがいたつや)王位、中村太地(なかむらたいち)王座が誕生。八つ目のタイトルとなった叡王(えいおう)を今年5月に獲得したのは、当時24歳の高見泰地(たかみたいち)さんだった。さらに7月、豊島将之(とよしままさゆき)さんが羽生さんを破って棋聖(きせい)となり、「8人8冠」の状態になった。

 豊島さんは若手棋士が実力を付けた理由について、毎日新聞の取材に「人工知能(AI)の影響(えいきょう)もあり、いろいろな新しい指し方が出てきて、経験が生かせない形も多い。それで若い人が活躍しているのかなと思う」と分析(ぶんせき)。藤井七段もタイトル戦線に絡(から)むとみていて、「藤井七段は相当強く、伸(の)びしろがかなりある。今後は難しい戦いになる」と成長ぶりに気を引き締(し)めていた。


 ◆将棋8大タイトル保持者

名人

佐藤天彦(さとうあまひこ)さん(30)

王将

久保利明(くぼとしあき)さん(43)

竜王

羽生善治(はぶよしはる)さん(47)

叡王

高見泰地(たかみたいち)さん(25)

王位

菅井竜也(すがいたつや)さん(26)

王座

中村太地(なかむらたいち)さん(30)

棋王

渡辺明(わたなべあきら)さん(34)

棋聖

豊島将之(とよしままさゆき)さん(28)


 ■KEY WORDS

 【タイトル】

 現在ある将棋(しょうぎ)のタイトル戦は八つ。「名人」「王将」「竜王(りゅうおう)」「叡王」「王位」「王座」「棋王」「棋聖」で新聞社やIT企業(きぎょう)が主催(しゅさい)している。タイトル戦に出場できるのは原則プロ棋士(きし)だけ。タイトル戦にはタイトル保持者がいて、リーグ戦もしくはトーナメント戦でタイトル挑戦者(ちょうせんしゃ)を決める。タイトル保持者と挑戦者の間で七番勝負や五番勝負を行い、勝ち越(こ)した方がタイトル保持者となる。

 藤井聡太(ふじいそうた)七段は今年度、8大タイトルのうち竜王戦、王座戦、棋王戦で本戦に勝ち進んでいた。しかし竜王戦は2回戦、王座戦は準決勝で敗退。今月3日に、最後の棋王戦も2回戦で敗れ、今年度はタイトルを獲得(かくとく)する可能性がなくなった。

 【形勢判断(けいせいはんだん)】

 将棋で、ある局面において、どちらが良いのか悪いのかを判断すること。形勢判断の結果によって、その後の方針や戦い方、時間の使い方が変わってくる。

 【読(よ)み筋(すじ)】

 将棋で、これから相手がどういう手を指し、どう展開していくかの予想。

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