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社説

自民総裁選の一時休戦 討論会を増やし質を補え

 自民党総裁選は、政府が北海道の地震対応に追われる中で告示され、安倍晋三首相と石破茂元幹事長が立候補を届け出た。

     首相は行政のトップとして復旧・救助の陣頭指揮に当たらなければならない。自民党はあすまでの3日間、選挙運動を自粛することを決めた。

     告示日に予定されていた候補者の所見発表演説会と共同記者会見は10日午前に延期された。その日が事実上の選挙戦のスタートとなるが、首相は午後からロシア・ウラジオストクを訪問する予定で、候補者同士の討論会は14日まで開かれない。

     緊急の災害対応を優先するのは当然だ。総裁選が冒頭から一時休戦となるのもやむを得ないだろう。

     ただし、政党の内輪の選挙とはいえ、事実上の首相選びであることも忘れてはならない。

     しかも、総裁選が複数の候補者による選挙戦になったのは6年ぶりであり、5年9カ月に及ぶ首相の政権運営を総括する重要な機会だ。首相が総裁3選を果たせば、さらに3年間の長期政権が視野に入る。

     候補者がそれぞれの政策や政治理念を示す演説会も重要だが、それだけでは一方的な政治宣伝に終わる可能性がある。候補者同士が討論することによってこそ、党員だけでなく、広く国民が首相にふさわしい人物を見極める機会になる。

     一時休戦によって選挙戦の量が落ちる分、討論会を増やすことで質を補うべきではないか。

     総裁選の情勢は、首相が国会議員票の8割以上を固め、党員票でも優勢とみられている。

     石破氏は積極的に論戦を仕掛けることで、首相への不満がくすぶる地方の党員票を掘り起こそうと狙っており、石破氏陣営からは総裁選の日程延期を求める意見も出た。

     首相陣営には自粛期間中も政権の実績をアピールできるという計算があり、「災害対応に全力を尽くす姿を見せるのが一番の選挙運動だ」などの声も聞こえてくる。

     実質的な選挙期間を短くして優勢のまま逃げ切ろうという発想だとしたら、度量が小さくないか。

     相次ぐ災害への備えから、人口減少を見据えた社会保障のあり方や外交・安全保障政策の方向性など、聞きたい論点は山ほどある。

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