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中朝国境ルポ

観光好況も「期待感だけ」非核化交渉停滞で

中朝国境を流れる鴨緑江にかかる「中朝友誼橋」付近は連日多くの観光客でにぎわう=遼寧省丹東市で2018年9月6日、河津啓介撮影
中朝を結ぶ「中朝友誼橋」を渡ってトラックが北朝鮮へと向かう=遼寧省丹東市で2018年9月6日午前9時41分、河津啓介撮影
中国遼寧省丹東市内のホテルで現在も続く北朝鮮レストランのステージ=2018年9月6日午後1時1分、河津啓介撮影

 【丹東(中国遼寧省)河津啓介】北朝鮮は9日に建国70周年を迎える。後ろ盾である中国の習近平国家主席は訪朝しないものの、両国関係に配慮して側近の最高指導部メンバーを派遣する。中朝の関係改善によって国境の街、遼寧省丹東市は観光業が好況に沸く。だが、米朝の非核化交渉が停滞し「期待だけが先行して、具体的な将来性が見えない」との懸念も強まっていた。

     夏休みが終わり9月に入っても、中朝観光の拠点である丹東は観光客でにぎわっている。3月の中朝首脳会談後、北朝鮮へのツアーは「毎月倍増ペース。昨年はがら空きだった平壌のホテルや航空券が業者の奪い合いになっている」(旅行業者)。中国人観光客の増加で、今夏は平壌に毎日2000人が訪れたと言われる。

     北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は3~6月、3度訪中した。習氏は、非核化交渉に加え、経済発展も全面的に後押しすると約束した。その結果、丹東のような国境地帯がにわかに脚光を浴びた。国連安全保障理事会の制裁が続く中でも、市場には北朝鮮産の海産物が出回り、北朝鮮から来たレストラン従業員や工場労働者が働き続ける。

     ただ、中朝雪解けの効果は観光業にとどまっているのが実情で、地元の貿易業者は「あるのは『期待感』だけ。制裁そのものが緩んだ実感はあまりない。米朝交渉の停滞と、米中関係が丹東の将来を不透明にしている」とも指摘する。

     中国に貿易戦争を仕掛けるトランプ米大統領は、朝鮮半島情勢でも中国が非協力的で、制裁違反をしていると主張する。北京の外交筋は「中国は米国を刺激したり、つけいる隙(すき)を与えたりしたくないはずだ」と分析。北朝鮮の建国70周年式典に習氏本人ではなく、党序列3位の栗戦書(りつせんしょ)・全国人民代表大会常務委員長(国会議長)を派遣するのも、米国を意識した可能性がある。

     丹東を5カ月前に訪れた際は、中朝関係改善を受けて不動産が急騰、マンション販売会場は熱気に包まれていた。だが今は客もまばらだ。ある投資家は丹東の雰囲気を不動産の動向に重ね合わせて言った。「物件価格と同じように、期待は急上昇したが、じきに落ち着き、今は不安交じりの様子見になっている」

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