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台風21号

関空、急転直下の運航再開 その訳は…

国内線の運航が一部再開され、飛行機に乗り込む人たち=関西国際空港で2018年9月7日午前11時36分、山田尚弘撮影

 関西国際空港では7日、台風による浸水から3日ぶりに国内線の運航が一部再開された。空港を運営する関西エアポートは当初、1週間程度を見込んでおり、急転直下の再開は政府の強い働き掛けがあった。観光を成長戦略に据える安倍政権と、大阪万博の誘致決定を目前に控え、関西経済の衰退を懸念する松井一郎大阪府知事の意向が一致したことが背景にありそうだ。

 「空港が長期間使えなければ、国際的な信用を失う」。政権幹部らは国土交通省に発破を掛けた。浸水翌日の5日朝、国交省から被災状況の報告を受けた安倍晋三首相の動きは素早かった。関空の早期運用再開と空港で孤立した利用者の救出を急ぐよう指示。首相官邸に、同省出身の和泉洋人首相補佐官をトップとする対策チームを設置して対応に当たった。

 関空の代替として大阪(伊丹)、神戸空港の発着時間を拡大し、国際線も受け入れる案も動き出した。日本維新の会代表で、安倍首相と定期的に食事をするなど近い関係にある松井知事が6日、官邸に足を運び、直接要請した。対応した和泉補佐官も「検討に入っている」と即答。国交省も両空港の関係自治体の首長に「関空の全面復旧まで半年はかかる」と伝え、根回しを進めた。松井知事も首長に直接電話し「非常事態だ」と理解を求めた。

 大阪府は昨年、中国・韓国を中心に訪日客が初めて1000万人を突破した。関空は観光客受け入れの窓口であり、国際空港の復旧は急務だ。物流も含め、早急に対策を取らなければ、11月に開催地が決まる2025年の大阪万博誘致への影響も計り知れない。ある自治体のトップは、松井知事の奔走を「頭の中に万博誘致がある」と推測し、伊丹・神戸の活用に「強く反対する理由はなく、そうなるだろう」との見通しを語った。関西広域連合も6日、国や関西エアポートに対策を急ぐよう要請。「関西経済をけん引しているインバウンドへの影響のみならず、拡大基調にある我が国の経済にも深刻な影響を与える」と強調し、一連の動きを後押しした。

 政権側には、災害対応の先頭に立ち、即断即決で復旧を実現する姿を強調したい狙いも見え隠れする。官邸の対策チームは徹夜で調整したといい、安倍首相は、6日午前9時からの非常災害対策本部会議で「国内線を明日中に再開し、国際線についても準備が整い次第、再開する」と真っ先に表明した。その約2時間後に記者会見した関西エアポートの山谷(やまや)佳之社長も未明まで官邸と調整を続けていたことを明かした。

 一方で住宅密集地が近い伊丹には騒音対策として、発着時間を厳格に制限する地元自治体と国との協定がある。伊丹空港がある大阪府豊中市では騒音問題に取り組む住民団体の担当者が、「頭越し」に進む協議に「国や自治体からまだ正式に話はない。緊急時なので、ある程度はやむを得ないと思うが、発着時間の拡大は唐突だ」と困惑を隠さなかった。【岡崎大輔、川辺和将、真野敏幸】

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