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ミニ行政区

就活、選挙…子ども主役 社会の仕組み学ぶ

昨年の「ミニ大宮」の様子=さいたま市大宮区のソニックシティで2017年12月9日、松下英志撮影

 体育館などの大空間を「まち」に見立て、子どもたちが自らまちの姿を考え、役所や銀行、店などを開き、運営する--。「ミニ大宮」「ミニ浦和」などと名付けられた、年に一度の「ミニ行政区」で、さいたま市各区の小学生らはハローワークで仕事を見つけ、働いた対価としてお金を得て、店で買い物をする。「区長選」の立ち会い演説会や投票も。ここでは子どもが主役であると共に、社会の仕組みそのものを学んでいる。【松下英志】

     9月8日、南区の武蔵浦和コミュニティーセンターで始まった「ミニ南区」。市報などを見て事前に申し込んだ、定員いっぱいの300人の小学生たちが次々とやってきた。入り口で参加料300円を払い、仮想の区民カードと仮想通貨「300ミニ」を受け取る。歓待するのはやはり小学生の店長たち。店の看板には「ボーリング1球30ミニ、アルバイト代は30分で100ミニ」の文字が。奥では焼き菓子の甘いにおいが漂い、テーブルに着いた子どもたちは1杯50ミニのジュースを飲んだり、1袋20ミニのクッキーを食べたり。

     手前のハローワークには求人票が並ぶ。手元のお金がなくなった子どもは自分で仕事を探し、働いた分だけ仮想通貨をもらい、再び買い物などを楽しむ。最初に受け取る仮想通貨の額はまちまちで、「ミニ大宮」などではまずハローワークに並び、働いた対価の一部を税金として税務署で納めることも必要だ。

     こうしたミニ行政区は「子どもスタッフ」の会議から始まる。主催するのはNPO法人や社会福祉法人など大人の組織だが、チラシなどを見て応募した30~80人の子どもたちは、自ら作るまちにどんな施設や店があってほしいか数回にわたって話し合い、まちの姿を決めていく。内容が決まるとジャンケンや話し合いで店長を決め、通貨の名称も定める。店の看板や商品、ハローワークの仕事カードも自分たちで用意する。

     出店はほかに警察や病院、放送局、アクセサリー販売、ネイルサロンなどさまざま。中には神社を開いて御札やおみくじの販売も。いくつかの行政区では区長選も行われ、4~5人の子どもたちが立ち会い演説会で「公園を作る」などの公約を訴える。各区役所も「協働開催」し、投票箱や記帳台は本物を使う。

     モデルは1979年、ドイツで始まった「遊びのまちミニ・ミュンヘン」。子どもの主体性を大切にし、自治体験やコミュニティーづくりの場にもなるとして、市内では2010年、NPO法人子ども文化ステーション(武藤定明代表理事)の企画「ミニさいたま」として始まった。市も全面的に協力し、2年目はさいたまスーパーアリーナに2日間で3000人もの子どもたちが参加。12年からは「ミニ桜区」など区ごとの開催となり、昨年度から全10区で行われ、今年はそれぞれ180~700人の子どもたちが集う。

     武藤代表理事は「保護者は立ち入れず、親から離れることで、子どもたちが生き生きとする面もある。子どもたちが考えたことが本当に実現するということ、自分がこうしたいと思ったことを自分の判断でやってもいいということを体験してほしい」と話している。

    ■これから開かれるミニ行政区

    (ミニ中央区は既に終了。参加費はいずれも300円)

     期日   名称   会場       定員 主催

    9月9日 ミニ南区  武蔵浦和コミュニティーセンター 300人 (3)

    9月23日 ミニ緑区  浦和大学     180人 (6)

    10月14日 ミニ見沼区 大宮武道館    450人 (4)

    10月14日 ミニ北区  プラザノース2階 700人 (1)

    10月20日 ミニ浦和  浦和コルソ7階  450人 (2)

    11月17日 ミニ桜区  市記念総合体育館 700人 (1)

    11月18日 ミニ西区  西部文化センター 250人 (5)

    11月18日 ミニ岩槻  コミュニティーセンターいわつき 300人 (2)

    12月8日 ミニ大宮  ソニックシティ  700人 (1)

    (1)NPO法人子ども文化ステーション(2)さいたま市社会福祉事業団(3)NPO法人子ども劇場おやこ劇場埼玉センター(4)NPO法人彩の子ネットワーク(5)社会福祉法人誠心会(6)浦和大学

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