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シリア内戦

アサド政権、総攻撃強行も 3カ国主張平行線

アサド政権によるシリア北西部イドリブ県への攻撃に反対するトルコ市民のデモ=トルコ南東部ディヤルバクルで7日、ロイター

 【カイロ篠田航一】内戦が続くシリアで、反体制派の最後の拠点である北西部イドリブ県への総攻撃が取りざたされる中、アサド政権を支援するロシアとイラン、反体制派を支援するトルコの主張が平行線をたどり、戦闘回避は困難だとの見通しが強まっている。

     実質的な仲介役となっている3カ国の首脳は7日、イランの首都テヘランで会談したが、アサド政権の作戦強行に理解を示すロシアとイランに対し、トルコは停戦を主張した。

     ロシアのプーチン大統領は「テロリストの掃討が必要だ」とアサド政権による軍事行動を擁護。イランのロウハニ大統領も「市民の犠牲を避けるべきだ」としながらも、反体制派の駆逐がシリアの平和回復につながると述べてロシアに同調した。

    シリア内戦を巡るロシア、イラン、トルコの関係

     これに対し、トルコのエルドアン大統領は「いかなる理由であっても、イドリブ県への総攻撃は虐殺につながる」として攻撃に反対した。2011年のシリア内戦開始後、トルコは既に350万人のシリア難民を受け入れているが、イドリブ県が攻撃されれば新たな難民がトルコ国境に押し寄せる事態も想定されるため、エルドアン氏は「これ以上の受け入れは不可能だ」と訴え、人道危機への懸念を示した。

     イドリブ県の反体制派組織の男性は毎日新聞の取材に「反体制派には多くのグループがあり、政権軍との戦闘続行を巡っても意見が分かれている」と話す。男性によると、イドリブ県には現在、北部アレッポや首都ダマスカス近郊の東グータ地区など既に政権側に制圧された別の拠点から逃げてきた戦闘員らが集結。トルコの支援を受ける比較的穏健な団体に加え、国際テロ組織アルカイダ系の「シリア解放機構」(旧ヌスラ戦線などで構成)など複数のイスラム過激派も混在しているという。

     アサド政権軍はこれまで反体制派の支配地域を攻撃する際、多数の死者を出す化学兵器を使用した疑いが度々浮上していることから、ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)も「アサド政権がもし化学兵器を使えば、極めて強力に対処する」と警告。トランプ米大統領も「虐殺があれば世界も米国も大変な憤りを示す」と述べている。

     ロシア、イラン、トルコの3カ国が実質的な仲介役を担っているのは、国連主導のシリア和平協議が停滞しているためだ。また、トルコは本来の同盟国である米国との関係が悪化しており、トランプ政権に反発するイランやロシアと協調してシリア問題への関与を深めている。

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