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北海道震度7

「いないと困る指揮者」 突然の別れ悲しむ

 北海道厚真町の土砂崩れで家族や友人らを亡くした人たちは、その死を悼んだ。

 土砂崩れ現場から見つかり、死亡が確認された同町高丘の松下一彦さん(63)の友人、矢幅敏晴さん(62)は「現実として受け止められない」と言葉を詰まらせた。

 松下さんとは町民吹奏楽団の創設メンバーとして一緒に活動してきた。松下さんは代表と指揮者を務めるまとめ役だった。「そろそろ(指揮者を)やめたいな」と冗談めかして言うこともあったが、「松下さんが指揮者じゃないと困る」と団員から引き留められるほど信頼は厚かった。

 町内で今月16日に開催予定だった演奏会に向けて練習に励んでいた。「来週が最後の練習だ。頑張ろう」。4日に松下さんと交わした言葉が最後となった。矢幅さんは「町の文化活動を広げる一翼を担ってくれた。松下さんがいない中、楽団を続けられるか不安だ」と肩を落とした。

 一方、遺体が安置されている町内の施設では、訪れた親族らが身元確認に立ち会い、突然の別れを悲しんだ。

 「亡くなるなんて夢にも思わなかった」。死亡が確認された同町幌里の林崎清五郎さん(87)の妹、赤坂愛子さん(72)は声を震わせた。時々電話で会話すると、林崎さんはいつも元気な様子だった。足が不自由だったが、畑仕事に精を出していた。赤坂さんも同じ集落に住んでおり、まさか兄が命を落とすとは思わなかったという。「今となってはただ悔しいだけです」とうつむいた。

 行方不明になっていた同町吉野の田中利子さん(68)が見つかったと連絡を受け、姉の山崎孝子さん(69)は安平町から施設に駆け付けた。5人兄妹の長女と次女。1歳違いで仲が良く、月に数回行き来した。妹は育てたコメや野菜をよく届けてくれた。最後に会ったのは8月末。それから1週間もたたないうちの悲報に「妹が野菜を持ってきてくれる姿がもう見られないとは……」と信じられない様子だった。【畠山嵩】

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