メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

日露首脳会談

共同経済活動実現へ工程表 領土進展なし

会談する安倍首相(左)とプーチン大統領=ウラジオストクで2018年9月10日、AP

 【ウラジオストク小山由宇、大前仁】安倍晋三首相は10日夜(日本時間同)、訪問先のロシア極東ウラジオストクでプーチン大統領と約2時間半、会談した。両首脳は、北方領土での共同経済活動で対象となる5項目を具体化するためのロードマップ(工程表)で合意。だが、領土問題については目立った進展はなかった模様だ。

     首相は共同記者発表で共同経済活動に関し「(北方領土)4島の未来像を描く作業の道筋がはっきりと見えてきた」と成果を強調。作業の調整のため民間調査団を10月初旬に派遣すると発表した。首相は日露平和条約が締結されていないことについて「異常な戦後がそのままになっている。私とプーチン大統領の間で終わらせる」と強調した。

     プーチン氏は「長年議論が続いている領土問題を一朝一夕で解決できないことはわかっている」と指摘したうえで「両国国民に受け入れ可能な解決方法を探すという意味で共同経済活動に着手した」と語った。

     5項目は、海産物の養殖▽風力発電▽ゴミ減容化▽温室野菜栽培▽観光--で昨年9月のウラジオストクで両首脳が合意。工程表では、養殖の魚種や野菜栽培の場所などを決める日程のめどや手順などが示された。

     ただ、共同経済活動を始めるには両国の主権をどう整理するかが課題となり、双方の法的立場を害さない「特別な制度」を導入することが前提となる。これまでの協議ではロシア側が制度導入に難色を示しており、今回の会談では議題とならなかった。

     一方、会談で首相はロシア軍の極東での軍事演習を「注視している」と伝えた。一方、ロシアは日本の陸上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の導入に反発しており、安保面での対立が領土交渉に影響を及ぼす可能性がある。

     ロシア側は、共同経済活動だけでなく、日本企業がロシア国内で大型事業に参入するよう促してきた。日本が医療分野の協力などを重視していることに「これでは十分ではない」(ロシア外交筋)と不満を漏らしている。ただ共同経済活動はもともとロシアが提案した経緯があり、交渉を破綻させる意図はないとみられる。ロシアは北方領土を管轄する極東サハリン州と北海道間を査証(ビザ)なしで移動できる枠組みを作るべきだとも唱えている。揺さぶりをかけながら、自国にプラスとなる材料を引き出す構えだ。

     会談では、北朝鮮の完全な非核化に向け緊密に連携する方針で一致。元島民の墓参の手続き緩和についてロシアが検討する考えを示した。日本は10月からロシア人観光客を対象に査証を緩和することを表明。両国の経済交流を促進するため租税条約発効のための公文を交換した。来年6月に大阪で開催される主要20カ国・地域(G20)首脳会議でプーチン氏が来日した際、首脳会談を行うことも確認した。

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 女の気持ち 定年を前に 埼玉県日高市・井上しず江(大学職員・64歳)
    2. 今日から俺は!! “敵役”に城田優、中村倫也、須賀健太ら メインゲスト11人を一挙発表 
    3. 会津藩公行列 「ありがとなし…」綾瀬はるかさん手を振り
    4. 警察庁 40代女性警視がセクハラ被害 公務災害に認定
    5. 最年少町長3カ月 2児の母過疎地で奮闘「めげない」

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです