BMW選手権 最終日
PGAツアー第47戦 BMW選手権/ペンシルベニア州 アロニミンクGC
ブラッドリーが2012年8月以来のツアー4勝目
雨のため順延となった最終ラウンドで、キーガン・ブラッドリーはジャスティン・ローズとのプレーオフを制し、6年ぶりのPGAツアー優勝を果たした。
最終ラウンドを6アンダー64(パー70)でプレーし、通算20アンダーでローズと並んでプレーオフを戦ったブラッドリー。
勝利を決めた瞬間、小雨交じりの曇空に両腕を掲げた。観戦していた家族を呼び寄せ、息子のローガン君を宙に放り投げて喜びを表現した。ブラッドリーが最後に優勝した2012年には、ローガン君はまだ生まれていなかった。
「この6年間にいろいろなことがあったよ。ボクはしばらくトップ争いから遠ざかっていた。ライダーカップやプレジデンツカップの代表に選ばれていたボクが、世界ランキング100位圏外まで後退していったのは辛かったよ」(ブラッドリー)
コースは昨夜からの雨で濡れ、開始時間は遅くなった。最終ラウンドが月曜日のうちに終了したのは驚くべきことだった。
だが、この日は小雨で、コースコンディションに戸惑う選手はほとんどいなかった。ただ、歩道は泥まみれだったので、ギャラリーは足を汚すことになった。
ブラッドリーは今回の勝利によって、フェデックスカップ・ランキングを6位まで上昇させた。ブラッドリーがここまで順位を上げるのはこれまでで4度目。2012年のWGC-ブリヂストン招待以来、初めてだ。
来年の初めにハワイのマウイ島で行われるセントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ(前シーズンの勝者のみが招待される大会)への出場権も獲得した。

ローズは通算21アンダーで最終ホールを迎えたが、18番パー4でボギーを叩き、ブラッドリーとのプレーオフにもつれ込んだ。
同じく18番パー4で行われたプレーオフ1ホール目でも、ローズは1.5メートルのパーパットを外し、敗退した。
38歳のローズは、フィラデルフィア郊外のコースでゴルフをプレーしながら育った。ローズはアロニミンクGCで行われた2010年のAT&Tナショナル、近隣のメリオンGCで開催された2013年の全米オープンでそれぞれ優勝している。
ローズは優勝を逃したものの、ダスティン・ジョンソンを抜いて世界ランキング1位に浮上した。イングランド出身の選手で世界1位の座を仕留めたのは、ニック・ファルド、リー・ウェストウッド、ルーク・ドナルドに続いて4人目だ。
「世界ランキング1位に立ったことは喜んでいるよ。子どものころからの夢だったんだ」(ローズ)
ローズはフェデックスカップ・ランキングも2位まで順位を上げた。フェデックスカップ・ランキング1位につけているのは、フェデックスカップ・プレーオフ第1戦と第2戦で連勝したブライソン・デシャンボーだ。

この日も多くのファンがタイガー・ウッズを追いかけていた。とりわけ9番パー5でバーディを奪って首位と1打差まで詰め寄ったときの歓声はすごかった。ウッズはフロントナインで4つのバーディを奪って折り返した。
しかし、ウッズは10番パー4でティーショットをバンカーに打ち込み、パーオンに失敗してボギーを叩いた。
14番パー3でもティーショットをバンカーに落としてボギー。いくつかのミスが大きく響き、5アンダー65でホールアウト。通算17アンダー6位タイで今大会を終えた。
アロニミンクGCでの過去のスコアと比較してみよう。このコースで72ホールを263ストローク以下でプレーした選手はすべて優勝しているが、今回の優勝スコアは260ストローク。ウッズは263ストロークで6位タイに終わっている。
「今日は(8アンダー)62くらいマークしなければ優勝できなかったかもしれない。それでも十分ではなかった可能性がある」(ウッズ)
ウッズがツアー選手権まで駒を進めるのは、2013年以来初めてだ。ウッズはこのとき、すでに背中の痛みを患い始めていた。
ウッズは昨年4月に4度目の手術を行った。昨年の今ごろ、ようやくチップショットとパットの練習ができるようになった。
「それを考えると、ツアー選手権までプレーできるようになったのは、素晴らしい回復ぶりだと思うよ」(ウッズ)
一方、ジョーダン・スピースはフェデックスカップ・ランキング30位圏外に後退し、プロ人生で初めてツアー選手権進出を逃した。
スピースはフェデックスカップ・ランキング27位で今大会を迎えたが、31位にはじき出された。最終ラウンドは3オーバー73と振るわず、通算3アンダー55位タイで終えた。