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大阪府

風水害で災害対策本部設置されず 明確な基準なく

 台風21号が直撃し、大規模停電や関西国際空港の浸水被害が起きた大阪府では、知事が指揮を執る災害対策本部は設置されなかった。大阪北部地震のような突発の地震災害は震度6弱以上で自動的に設置する基準があるが、風水害は気象予報などで準備ができるため、明確な基準がない。風水害に対する構えが問われ、設置を巡る判断の難しさも課題に残った。

     府は災対本部などの設置基準を「災害等応急対策実施要領」で定める。台風接近に伴い府は4日午前4時56分、危機管理担当の職員が情報収集をする「警戒班」を設置。班は大雨・洪水警報なら自動設置され、それ以外の警報なら設置は危機管理室長の判断になる。

     25年ぶりに非常に強い勢力のまま上陸した台風21号が最接近した同日午後2時40分、24時間の予測雨量が200ミリを超えたため、要領に基づき同班を、室長の上司になる危機管理監をトップとする「指令部」に格上げした。しかし知事が本部長を務め、風水害に関係する各部長で構成する災対本部は設置しなかった。

     要領では、府域で震度6弱以上を観測した場合は自動設置。6月の大阪北部地震が初めての運用だった。しかし風水害での規定はなく、指令部が大規模災害が発生したと判断した場合や、特別警報が発表された時などに設置すると規定。災対本部設置を見送った理由について、今月5日の定例記者会見で松井一郎知事は「早期から避難を促し、十分準備はできていたと判断した」と説明した。

     一方、府内では突風であおられて転倒するなどした男女8人が死亡。約400人が重軽傷を負い、松井知事は「外出を控えるようもっと情報発信すべきだった」と語った。府幹部は「台風通過中は行政も身動きが取れない。機動的に応急対応が取れる(災対本部の)運用を検討したい」と振り返った。

     災害時の行政の初動対応などに詳しい兵庫県立大大学院の室崎益輝(よしてる)教授(防災計画)は「風が強い台風と予測された場合は、災害対策本部でなくてもその前段階の警戒本部を発足させ、被害が起きないようにするのは災害対応の常識だ。体制を整えて連携すれば、関西国際空港の浸水を防ぐ手立てもできた可能性もある」と指摘する。【岡崎大輔、藤顕一郎】

    <大阪府の災害対策本部などの主な設置基準>

    ■警戒班

    ・台風情報により24時間以内に府域へ影響を及

     ぼすと認められる場合

    ・府域に気象情報(津波を除く全ての警報、大雪

     は注意報)が発表された場合。大雨・洪水警報

     は自動設置

    ■指令部

    ・府域で震度4を観測(自動参集)

    ・府などが設置する雨量計で24時間雨量予測が

     200ミリを超える時

    ■警戒本部

    ・府域で震度5弱、または5強を観測(自動設置)

    ・台風が府域に上陸し、被害の発生が予測される時

    ■災害対策本部

    ・指令部が災害等の情報により大規模な災害等が発

     生したと判断したとき

    ・府域で震度6弱以上を観測した時(自動設置)

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