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ルネサス

自動運転に活路 米半導体買収、国際競争力強化

 半導体大手のルネサスエレクトロニクスは11日、米半導体メーカーのインテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)を約67億ドル(約7330億円)で買収すると発表した。買収額は日本の半導体メーカーとして過去最大になるとみられる。自動運転など車載用のセンサーやデータを伝送する通信用半導体に強いIDTを買収することで、ルネサスは製品力を強化し、国際競争力を高める狙いがある。

     「IDTと一緒になれば自動車やIoT(モノのインターネット)領域をもっと拡大できる。世界で勝っていくため、買収はわが社にとって極めて有意義だ」。11日に東京都内で記者会見したルネサスの呉文精社長兼最高経営責任者(CEO)は買収の意義を強調した。2019年6月までの買収完了を目指すとし、資金は手元資金に加え、取引銀行から約6790億円を借り入れるという。

     IDTは、自動運転で車の目や耳として車外の情報を集めるセンサーに強みを持つ。一方のルネサスは自動車の基幹部品を制御するマイコンなどを得意とする。IDTの買収により不得手だった分野を相互補完することで、顧客企業に対し、より高度な製品の提供につなげる考えだ。

     また、IDTは通信用半導体にも強みを持ち、ルネサスは買収を機に大量の情報を記憶するデータセンター向け事業に本格参入し、成長領域の拡大も狙う。呉社長は買収の効果を「長期的な買収の増益効果は営業利益ベースで2億5000万ドル(約270億円)」と説明した。

     調査会社IHSマークイットによると、車載用の半導体市場は17年の380億ドルから22年は576億ドルと約1・5倍の拡大が予想される。ルネサスの出荷額は世界3位と健闘するが、米半導体大手インテルは、17年に自動運転車の技術開発を手掛けるイスラエルのモービルアイを153億ドル(約1兆7000億円)で買収するなど再編の動きが活発化している。

     しかし、大型買収による事業規模拡大が成功するとは限らない。製品の開発力強化も課題となる。自動運転分野に詳しい日本総合研究所創発戦略センターの井上岳一シニアマネジャーは「これまで規模の論理から世界で買収が相次いだが、IoTなどが広がる今後は最先端の技術を開発できるかが課題だ」と指摘している。【柳沢亮、松本尚也】

    ルネサスエレクトロニクス

     日立製作所と三菱電機の半導体部門が統合したルネサステクノロジと、NECの半導体子会社が合併し2010年に発足した。自動車のブレーキなどを制御する「マイコン」と呼ばれる半導体の製造に強く、車載半導体で17年は世界3位(米調査会社IHS調べ)。

     11年の東日本大震災で工場が被災して経営難に陥ったが、13年に官民ファンド「産業革新機構」の傘下に入り、人員削減などの再建策を進めて業績が回復した。革新機構は段階的に保有株を売却しており、24年度までに保有する全株式を売却する方針。

     17年2月には米半導体企業インターシルの買収を完了。国際競争力の向上に向け、電力を調整する半導体の分野を強化した。

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