メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

米パレスチナ代表部閉鎖

自治政府高官「決して屈しない」

 【ワシントン鈴木一生、高本耕太、エルサレム高橋宗男】パレスチナとイスラエルの中東和平交渉を巡って親イスラエルの姿勢を鮮明にするトランプ米政権が、パレスチナ側に強い圧力をかけ続けている。米国務省は10日、ワシントンにあるパレスチナ解放機構(PLO)の総代表部(大使館に相当)を閉鎖させると発表。8月末には国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への拠出の全面中止を決定したばかりで、パレスチナ側との対立が激化している。

     ロイター通信によると、トランプ政権は昨年11月、パレスチナ側がイスラエル当局者に対する国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)の捜査要請に言及したことを受け、総代表部の閉鎖を警告。総代表部の維持の条件として、パレスチナ側が「イスラエル側と直接的で意味のある交渉についたと判断できた場合」としていた。

     米国務省のナウアート報道官は10日、閉鎖に踏み切った理由について、パレスチナ側が交渉に踏み出さないことに加え、「米国の和平案を見もせずに非難し、米国の仲介を拒否している」と説明した。また、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)も同日、ワシントン市内での講演で総代表部の閉鎖について言及。「パレスチナがイスラエルとの直接交渉への一歩を拒否し続ける限りは、総代表部を開くことはない」などと強調した。

     トランプ政権は昨年12月、エルサレムをイスラエルの首都と認定、今年5月には米大使館をテルアビブからエルサレムに移転するなど、イスラエル寄りの姿勢が際立っており、パレスチナ側は米国の仲介を拒絶している。

     ロイター通信によると、PLO総代表部の閉鎖発表に対し、パレスチナ自治政府高官は「米国の脅しにも繰り返される嫌がらせにも決して屈しない」と反発し、「ICCに対し、イスラエルへの迅速な捜査を求めていく」との意向を示した。

     ただ、パレスチナ側も一枚岩ではない。ヨルダン川西岸の自治区を統治する自治政府はPLO主流派のファタハが率いるが、ガザ地区はイスラム組織ハマスが実効支配し、分断統治が2007年から続く。両者は昨年10月に分断を解消するために和解することで基本合意したものの、実質的な協議は進展していない。今年3月にはガザ地区に入った自治政府のハムダラ首相の車列近くで爆発が起き、自治政府側は不信感を募らせたままだ。

     また、今年3月末からガザとイスラエル領の境界で続く反イスラエルデモでは170人以上のパレスチナ人が死亡し、約2万人が負傷。ガザ側からの攻撃にイスラエル側が報復を繰り返している。

     エジプトや国連がハマスとイスラエルの停戦を仲介しているが、自治政府は頭越しの交渉に不快感をあらわにし、ハマスとの和解について否定的な姿勢を見せている。内部の分断が解消しないうえ、米国の圧力にさらされ、パレスチナの混迷は深まるばかりだ。

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 会津藩公行列 「ありがとなし…」綾瀬はるかさん手を振り
    2. 今日から俺は!! “敵役”に城田優、中村倫也、須賀健太ら メインゲスト11人を一挙発表 
    3. 女子テニス 大坂ウイルス性の病気のため武漢オープン欠場
    4. 障害者雇用水増し 「名前貸して」元横浜家裁職員が証言
    5. サッカー デルピエロがFC岐阜にエール

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです