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北海道地震

長引く節電 10月からの暖房利用に支障も

電光時計の時刻表示を再開した「さっぽろテレビ塔」。節電のため日没後のライトアップは当面休止する。写真右奥はすすきのの歓楽街=札幌市中央区で2018年9月9日午後9時10分、貝塚太一撮影

 北海道電力苫東厚真火力発電所(北海道厚真町)の全面復旧が11月以降にずれ込む見通しとなり、道内の家庭や企業は引き続き節電を求められる。需要の7割を占める家庭や店舗などが十分な節電に取り組めるかが停電回避のカギとなる。10月から朝晩の冷え込みが厳しくなる道内では節電で暖房利用にも支障が出るのを懸念する声が上がっている。

 内陸部の旭川市は、冬は有数の寒さと降雪に見舞われる。11日の最低気温は9月下旬並みの7.7度。同市の老人ホーム「いこいの里旭川」の坪田篤治施設長(51)は「施設の暖房は電気なので困る」と戸惑いを隠せない。70~80代を中心に76人が入所しており、「夏に寒がるなど体温調整がうまくできない方も少なくない。昼は併設のデイサービス施設だけで暖房を使い、使わない部屋の暖房を切るなどの対応をしても、できることには限界がある」と話す。

 東部にある弟子屈町の川湯観光ホテルでは、使わないエリアの消灯や照明器具を減らす工夫を始めた。だが、10月以降も節電が続いた場合、「お客様に理解してもらい、いつもより暖房温度を下げるしかない」(南勤支配人)という。

 酪農の盛んな十勝地方の幕別町で乳牛約500頭を飼育する酪農家、山田敏明さん(57)は「搾乳や牛乳の保冷など電気を使う機械が多く、制約されると農家の負担は大きい」とこぼす。東日本大震災後に設置した自家発電機で最低限の発電はできたが、多くの仲間は搾乳ができず、乳牛の健康被害への不安を抱えたという。早朝と夕方の毎日2回の搾乳時間帯の停電は避けてほしいと訴える。

 道内の地震前のピーク需要は5日午後7時時点の383万キロワット。これに対し確保した供給力は353万キロワットで約10%足りない。古い発電設備が壊れる恐れもあるため、経済産業省と北電は余裕を持たせて平常時の2割の節電を求めている。

 北電によると、11日午後6時台の節電率は14.3%。2割には届いていないものの不足分の10%はカバーできた。ただし、火力発電所がトラブルなどで1基止まれば供給力は5%ほど下がる。現時点では余力が十分とは言えない状況だ。さらに例年の冬場のピーク需要は500万キロワットを超える

 実際、経産省や北電は10日、本格的な節電要請を始めた9日の電力需要の実績データに焦りを募らせた。大規模工場などの産業部門が5~6割節電した一方、家庭と、店舗などの業務部門は数%にとどまったからだ。

 東日本大震災後の2011年、東京電力管内では産業部門が3割、業務部門が2割、家庭が1割の節電をそれぞれ達成した。経産省は、幅広い利用者が節電に協力した東京の例に比べて「北海道では産業部門にしわが寄っている」(幹部)として、家庭や店舗でのさらなる節電を呼び掛けた。

 その結果、10日の節電率は産業部門が約18%、家庭と業務部門も約15%を達成。家庭や店舗でも節電努力が本格化しているとみられる。北電も水力発電所や火力発電所の稼働を急ぐが、経産省は、引き続き節電の徹底を呼びかけている。【横田信行、鈴木斉、平山公崇、和田憲二】

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