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SUNDAY LIBRARY

池内 紀・評『ぼくの兄の場合』ウーヴェ・ティム 著

目をふせて沈黙し責任逃れをしたすべての者たちに放たれる鋭い矢

◆『ぼくの兄の場合』ウーヴェ・ティム/著 松永美穂/訳(白水社/税別2200円)

 ドイツの作家ウーヴェ・ティムは1940年の生まれ。16歳年上の兄がいたが、1942年、18歳のときに志願して武装親衛隊に入隊。翌年、東部(ウクライナ)戦線で重傷を負い、死去。残された遺品のなかに戦地でつづった日記と少しばかりの手紙があった。

 兄が戦死したとき、作者は3歳だった。「夢の切れ端」のような記憶しかない。この兄をもっとよく知るため…

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