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「日本語を理解できない人たちが情報弱者にならないように」。滋賀県警組織犯罪対策課国際犯罪対策室の大久保薫巡査部長(28)はそんな思いから、得意のポルトガル語をフル活用している。捜査の時の通訳や資料の翻訳はもちろん、コミュニティーFMの番組に出演して生活情報を発信し続ける。視線の先に見据えるのは、日本人と海外から来た人々が共に心地よく過ごせる社会の実現だ。【横上玲奈、寺島笑花、千葉茂樹、小西雄介】
突然、大久保さんに通訳を依頼する電話が鳴った。子連れのブラジル人女性が相談のため警察署を訪れ、片言の日本語で「蹴られた」と話していたため、家庭内暴力(DV)が疑われた。現場に駆け付けると、夫婦げんかはあったが深刻ではなく、女性の訴えの中心は育児疲れから精神的に不安定になったこと。地域社会になじめず頼れる人もいないため「手助けしてほしい」と望んでいた。大久保さんがポルトガル語で話しかけた瞬間、女性…
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