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MAINICHI芸術食堂

映画「散り椿」 四季と心、美しい融合 /愛知

 圧倒された。心に沁(し)みた。全編にわたり“気”がみなぎっている。アイドルのオーラは完全に封印され、まさに本物の侍にしか見えない。映画「散り椿(つばき)」主演の岡田准一さんは、底知れぬ覚悟と魅力に満ちている。メガホンを取った大ベテランの名カメラマン・木村大作監督も、現場で大いに目を見張ったはずだ。

 直木賞作家・葉室麟さんの原作小説を、「雨あがる」などを監督した小泉堯史さんが脚本化。かつて不正を訴えて藩を離れた瓜生新兵衛は、病に倒れた妻・篠の最期の願いをかなえるため再び故郷に戻る。篠の願いは、新兵衛が同じ道場でしのぎを削った旧友で、恋敵でもあった榊原采女(うねめ)を助けること。新兵衛は藩の側用人である采女との再会を果たしつつ、不正事件の真相を探る。やがて、散り椿が咲き誇る春、ある確証を得た新兵衛は采女と対峙(たいじ)する。

 木村監督は、時代劇の精神性が好きだという。何か事を起こす時は、しくじれば切腹する覚悟を決めて取り掛…

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