メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

的川博士の銀河教室

517 ぴょんぴょんローバー、リュウグウ着陸

世界初の快挙

 宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))はさる9月21日、小惑星(しょうわくせい)探査機「はやぶさ2」から「ミネルバ2-1」を分離(ぶんり)し、小惑星リュウグウに着陸させることに成功しました。送ってきた画像やデータから、リュウグウ表面を移動していることも確認し、小惑星表面で移動しながら探査をする世界で初めての人工物となりました。

     「はやぶさ2」の下面には「ミネルバ2-1」と「ミネルバ2-2」が収納されていて(図1)、今回分離し着陸したのは「2-1」の方です。「2-1」は「はやぶさ2」から分離直後にケースの蓋(ふた)が開いて、小さなローバー(探査ロボット)が2台飛び出します。2台とも状態は正常で、内蔵したモーターの回転の反動を使って、リュウグウ表面をぴょんぴょん跳(と)びはねながら観測します(図2)。図3に、この「ぴょんぴょんローバー」(俗称(ぞくしょう))から降下中、および着陸後に送られてきた画像を示しました。

     図3-1は日本時間9月21日午後1時8分ごろにぴょんぴょんローバーの1号機が撮影(さつえい)。「はやぶさ2」(上方)とリュウグウ表面(下方)が映っています。ローバー本体が回転しているので画像がぶれていますが、「はやぶさ2」の大きくひろげた太陽電池パネルは確認できますね。図3-2は日本時間21日午後1時7分ごろにぴょんぴょんローバーの2号機が撮影。右下にリュウグウ表面、左上の薄(うす)くモヤがかかっている部分は太陽光のせいです。リュウグウの表面にはおそらく数十メートルはあると思われる岩がごろごろしていて、10月下旬(げじゅん)の着陸には苦労しそうです。図3-3は、日本時間22日午前11時44分ごろにぴょんぴょんローバー1号機が撮影。リュウグウ表面でホップしている最中に撮(と)ったので、画像もダイナミックですね。

     実は、初代「はやぶさ」も同じようなぴょんぴょんローバー「ミネルバ」を積んでいて、2005年11月12日に行われた降下リハーサルで分離されたのですが、惜(お)しいところで小惑星イトカワに着陸できませんでした。だから今回の着陸成功は、私にとっても非常にうれしい快挙でした。

     なお、「はやぶさ2」には、東北大学などが開発した「ミネルバ2-2」と欧州(おうしゅう)が開発した「マスコット」というローバーも乗っています。マスコットは10月初めに、ミネルバ2-2は来年(たぶん夏ごろ)に着陸を予定しています。


    的川泰宣(まとがわやすのり)さん

     長らく日本の宇宙開発の最前線で活躍(かつやく)してきた「宇宙博士」。現在は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の名誉(めいよ)教授。1942年生まれ。


    日本宇宙少年団(YAC)

     年齢・性別問わず、宇宙に興味があればだれでも団員になれます。 http://www.yac-j.or.jp


     「的川博士の銀河教室」は、宇宙開発の歴史や宇宙に関する最新ニュースについて、的川泰宣(まとがわやすのり)さんが解説するコーナー。毎日小学生新聞で2008年10月から連載(れんさい)開始。カットのイラストは漫画家(まんがか)の松本零士(まつもとれいじ)さん。

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 森元首相 「余計なことしやがって」 石破氏依頼に苦言
    2. 人生相談 「親切」と「洗脳」の違いって何=回答者・光浦靖子
    3. 警視庁 「地面師」聴取へ 積水ハウス55億円被害
    4. 地域ブランド調査 やっぱり函館が一番魅力的 北海道「都道府県」では10連覇
    5. 寝屋川中1殺害 被告、核心語らず 検察側「難しい裁判」

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです