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キャンパスNOW

大学受験2018(1) 共通テスト導入控え激動

今年の東大合格発表で=3月10日

 大学入試は激動期を迎えている。現在の大学入試センター試験に代わり、2021年1月から大学入学共通テストがスタートすることに加え、文部科学省による私立大の入学定員管理厳格化の影響も大きい。来春の入試はどうなるのだろうか。【中根正義】

    合格者絞る大学、受験生は出願増

     今春の入試について、進学校の進路指導担当者は口々に、こう振り返っていた。

     「今までならMARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)や関関同立(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)クラスに『受かるかもしれない』という生徒が合格することがあったが、今年は『確実だ』という生徒しか突破できなかった」

     左の表は、難関私立大の一般入試での今年の合格者数と2015年の合格者数の差を示したものだ。文科省による入学定員管理の厳格化により、この3年で軒並み合格者を減らしていることが分かる。青山学院大や関西学院大は15年と今春とを比べると、約25%も合格者を絞っている。これだけ絞られると、入試が厳しくなるのは当たり前だ。

     その影響もあり、受験生1人あたりの出願校数は増え、日本私立学校振興・共済事業団によれば、今春の私立大の延べ志願者は約416万人と前年より27万6000人増えた。さらに、定員割れの私立大は16年度は45%に達していたが、今年度は36%と過去10年で最も低く、“私大バブル”というような状況だった。

     入学定員管理の厳格化は、大都市部の大学への学生集中を是正するとして、16年度入試から行われてきた。収容定員8000人以上の大規模大の場合、これまでは定員の1・2倍以上を入学させると補助金が打ち切られたが、同年春から段階的に厳しくなり、昨年は1・14倍以上、今春は1・1倍以上となった。

     19年度の入試に関しては、これまでとほぼ同様の措置となることが決まった。今春の入試で合格者を絞り込みすぎて定員割れした大学もあり、予備校関係者は「今以上に難化することはない」とみている。

    国立大がAO枠増

     私立大の入学定員管理の厳格化に加え、注意しておきたいことがある。それは、20年度から導入される大学入学共通テストに関連したことだ。文科省が進める大学入試改革を踏まえた動きがすでに起きている。

     20年度からの入試では、学力の3要素と呼ばれる(1)知識・技能(2)思考力・判断力・表現力(3)主体性をもって他者と協働して学ぶ態度--をバランスよく見るとされている。知識・技能に関してはこれまでの入試でも問われてきたが、(2)に関しては記述式問題などの導入が進んでおり、(3)に関しては面接や調査書などを用いて評価するもので、すでに推薦やAO入試で行われるようになっている。

     その中で、国立大の動きには特に注意したい。国立大学協会では21年度までに推薦やAOでの入学者を定員の3割まで増やそうとしている。来春の入試では、東北大が法学部、文学部、理学部で新たなAO入試を行う。また、神戸大は評定平均値や個別試験で学力を評価した上で面接や小論文、プレゼンテーションを課す「神戸大『志』特別入試」をスタートさせる。秋田大や東京外国語大、香川大、長崎大などでもAO入試や推薦入試を新たに導入する。今後も増えていくことは間違いなく、志望校の募集要項などで、確認を怠らないようにしたい。

     私立大でも中堅大を中心にAO入試などで多面的、総合的な選抜試験に取り組む大学が増えている。

     追手門学院大のアサーティブ入試などが知られているが、昨年から九州産業大が導入を始めた育成型入試も注目されている。出願前の複数回のオープンキャンパスを活用しながら、模擬授業や面接などで受験生の学びへの意識を高めていくもので、すでに昨年を上回る参加者を集めている。

    専門職大学が開校

     このほかでは、来春は実践的な職業教育を重視した専門職大学が開校する。10月5日に、高知リハビリテーション専門職大の設置が認可された。今後、工学やファッション、医療、栄養管理などの分野でのスペシャリスト人材養成が始まる。

     既存の大学では、グローバル化社会を踏まえた国際系学部・学科の開設が続く。国公立では東京外国語大や横浜市立大などで、私立では中央大や津田塾大、立命館大、京都産業大などで新たに設置される。

     京都産業大は学部・学科の増設・再編によって国際関係学部、生命科学部、経営学部マネジメント学科が新たにできる。また、青山学院大はコミュニティ人間科学部を新設。医療系学部の新設も続いており、順天堂大には保健医療学部が開設される。

     社会の激しい変化や教育改革のうねりの中、各大学は次代を見据えた人材育成のために、さまざまな改革を行っている。入試の変更点は多岐に及んでおり、志望校の情報収集には早めに取り組みたい。

    就職好調で文系人気堅調

     今年の受験生の志願動向について、駿台予備学校が模試データから分析したものが左のグラフだ。就職状況が好転していることもあり、国公立、私立とも文系学部の人気は堅調だ。

     前年の募集人員を100とした場合、経済・経営・商学系の人気が継続している。昨年は減少傾向にあった外国語系、国際系は、共に志願者が増加傾向にある。グローバル化の進展が、言いはやされていることが背景にあるとみられている。

     一方、教員養成・教育系は敬遠されている。仕事の負担が大きいことなどが受験生に微妙な影響を与えているようだ。

     理系は総じて志願者が減少気味だ。その中で、これからの時代の学問として注目を集めるデータサイエンスなど文理融合系の総合科学系が高い伸びを示している。また、工学系の人気は底堅い。ロボットや人工知能(AI)、情報通信技術(ICT)関連の機械、都市再開発に伴うインフラ整備の土木・建築などの志願者が多い。

     また、これまで学力上位層の志願者が多かった医学系は人気に陰りがみられる。工学系の就職状況が良いこともあり、学力上位層などに、技術革新がめざましいロボットやAIといった分野を学ぼうという受験生が増えていることと関係がありそうだ。

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