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的川博士の銀河教室

518 ぴょんぴょんローバー撮影

ほぼ無重力、雄大なジャンプ

 小惑星(しょうわくせい)探査機「はやぶさ2」から小惑星リュウグウに着陸してぴょんぴょん跳(と)びはねている2台のローバー(探査ロボット)から、リュウグウの表面の画像がすでに100枚以上、「はやぶさ2」本体を経由して送られてきています。2台合わせると、9月27日の時点で13回もジャンプしてあちこち縦横無尽(じゅうおうむじん)に移動していることも分かりました。1回あたり20~30メートルくらいのジャンプのようですね。重力がほとんどないから、ジャンプすると滞空(たいくう)時間が長く、15分くらい雄大(ゆうだい)にゆったりと跳び、まるでスローモーションを見ているような跳躍(ちょうやく)です。

     たとえば写真1は2台のローバーのうちの「ミネルバ2-1B」が撮影したもの。すごい光景ですね。まさに、岩塊(がんかい)(ボルダー)だらけ。「ミネルバ2-1A」が撮(と)った写真2の地形もすさまじいですね。「これほど劇的な表面写真は世界で初めてだ」と、海外のニュースでも評判になっています。もうちょっと砂地があると思ったのになあ。チームでは、10月下旬に予定している「はやぶさ2」本体の着陸が非常に困難を極めそうだと困惑(こんわく)しながら、この「素晴らしい画像」をみんなで見つめているでしょう。

     そして「はやぶさ2」本体が2台のローバーを分離(ぶんり)するために降下した際、本体の望遠カメラ(ONC-T)が、これまでのリュウグウ表面の写真で最高解像度になる画像を写しました。それが右の図1の(a)です。(c)には「はやぶさ2」の自分の影(かげ)が見えていますね。初代「はやぶさ」が撮影したイトカワの最高解像度の写真(図2)と比べてみてください。二つの小惑星の表面の様子の違(ちが)いがよく分かります。イトカワの方は、はやぶさが着陸した「ミューゼスの海」と命名した地域のものですが、数ミリから数センチの「砂利」ですね。それに比べると、リュウグウの方は何だか非常に着陸しにくいようで、不気味ですね。

     今は「はやぶさ2」は高度20キロの「ホームポジション」に戻(もど)っていますが、「はやぶさ2」チームは、10月下旬のサンプル着陸に向けて、その候補地点の様子や着陸方法の詳細(しょうさい)について、一生懸命(いっしょうけんめい)に検討を重ねていることでしょう。

     10月3日には、ドイツとフランスが共同製作した小型ローバー「マスコット」を、リュウグウ表面に投下しました。


    的川泰宣(まとがわやすのり)さん

     長らく日本の宇宙開発の最前線で活躍(かつやく)してきた「宇宙博士」。現在は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の名誉(めいよ)教授。1942年生まれ。


    日本宇宙少年団(YAC)

     年齢・性別問わず、宇宙に興味があればだれでも団員になれます。 http://www.yac-j.or.jp


     「的川博士の銀河教室」は、宇宙開発の歴史や宇宙に関する最新ニュースについて、的川泰宣(まとがわやすのり)さんが解説するコーナー。毎日小学生新聞で2008年10月から連載(れんさい)開始。カットのイラストは漫画家(まんがか)の松本零士(まつもとれいじ)さん。

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