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西日本豪雨

避難指示出たまま…擁壁巡り福岡市と住民対立

豪雨で擁壁が崩れた源蔵池沿いの住宅。住民側は再発防止のため護岸整備を要望している=福岡市南区桧原で、宮原健太撮影
土のうとブルーシートで応急処置をした擁壁とその上に建つ自宅を指さす葉石さん。「台風が近付く度に不安になる」と話す=福岡市南区桧原で、宮原健太撮影

 広島や岡山、愛媛県に甚大な被害をもたらした西日本豪雨から6日で3カ月。福岡県内にも避難指示が出たままの地区が福岡市南区にある。豪雨により農業用のため池に面した住宅地の擁壁が崩れたのが避難指示の理由だが、崩落原因を巡って住民と市の意見が対立し、復旧が遅れている。

 「台風が来る度に家が崩れないか冷や冷やしています」。台風25号が迫りつつあった3日、福岡市南区桧原(ひばる)の葉石(はいし)誠造さん(74)は、土のうとブルーシートで応急処置をした自宅の擁壁を前に表情を曇らせた。

 葉石さん宅は、農業用のため池「源蔵池」に面した高台に建つ。水面のやや上から庭先まで池の斜面を覆うコンクリート製の擁壁が崩れたのは、7月6日午後3時半ごろ。「滝のような雨が降る中、『ドス』という鈍い音がして崩れた」と振り返る。市内の長男の家に2週間ほど避難し、土のうなどで補強した後に戻ってきたが、応急処置には自費で約250万円かかった。

 源蔵池は周囲約1.5キロの細長い池で、周りは住宅地になっている。避難指示が出ているのは、池の西側の桧原地区8世帯と、東側の大平寺地区6世帯の計14世帯33人。いずれも池に面した擁壁が崩れたり、亀裂が入ったりして安全が確保できなくなった。一部の住民は今も勤務先の社宅やマンションを借りたりして避難生活を続けている。

 このうち大平寺側では今月1日から擁壁を修復する工事が始まったが、水面との距離が近い桧原側では着工のめどが立っていない。背景には擁壁が崩れた原因を巡る住民と市の意見対立がある。

 大雨が原因という点は一致しているが、住民側は雨だけで擁壁が崩れるはずはなく、池の水位が上がって擁壁の内側まで染みこみ、土が軟らかくなった可能性があると主張。8月23日には、池を管理する市に対し、現在はない護岸を池の縁に整備するよう求める要望書を提出した。住民側は護岸の上に擁壁を造り直したい考えだ。

 一方、市は「池の水位は擁壁に影響するほど上昇していない」という立場だが、住民の要望を受けて8月24日に地質専門のコンサルタント会社に原因調査を依頼した。

 西日本豪雨では福岡県内でも4人が犠牲になったが、今も避難指示が続くのはここだけだ。九州・山口全体でも他に避難指示が出ているのは、土砂崩れがあった長崎県対馬市の12世帯19人しかない。

 桧原3・4丁目町内会の樺田広明会長は「護岸工事がされなければ、水害で同じような被害を受ける可能性がある。安心安全のためにも早急に工事をしてほしい」と訴える。

 市農業施設課の淵上康英課長は「工事の必要があるかどうかは調査に基づいて判断する。なるべく早く調査を終わらせて、生活の復旧を急ぎたい」と話した。【宮原健太】

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