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社説

「辺野古」への政府対応 もう押しつけは通じない

 翁長雄志(おながたけし)前沖縄県知事の県民葬に政府から菅義偉官房長官が出席し、「基地負担の軽減に向けて一つ一つ確実に結果を出していく決意だ」との安倍晋三首相の弔辞を代読した。

     週内には玉城(たまき)デニー新知事が東京を訪れ、菅氏ら関係閣僚と会談する見通しとなっている。

     4年前の翁長知事就任時、首相や菅氏が4カ月も会談せず、県との対立を決定的にしたのと比べれば、政権側は対話に前向きなようだ。

     ただし、玉城氏が米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に明確に反対しているのに対し、政権側は米政府と合意した計画通りに移設を進める姿勢を崩していない。

     首相は「沖縄に寄り添う」と繰り返してきた。ならば、2回の知事選で示された「辺野古ノー」の民意にきちんと向き合うことが必要だ。

     外交・安全保障政策は確かに政府が責任を負う。日米安保条約に基づく履行義務もある。

     一方で憲法は地方自治を定める。どこに基地を置くかまで地域の理解を得ずに政府が勝手に決めてよいことにはならない。そのような押しつけは国と地方を対等な関係とうたう地方自治法の精神にも反する。

     翁長氏の訴えた「沖縄の自己決定権」を踏みにじるかのような政府の対応が反発を買い、沖縄知事選で史上最多の39万票という玉城氏の得票につながったと考えるべきだ。

     そうした反省に基づき、県側が方針決定に関与できる形で真摯(しんし)な協議を行うほかに打開策はない。

     安倍政権は翁長県政時代、1カ月の集中協議期間を設けたり、裁判所の和解案で県側との協議を促されたりした経緯がある。そのたびに形だけ話を聞き、移設工事を強行するアリバイづくりに使ってきたのではないか。同様の姿勢を続けるなら、問題解決の道は遠のくばかりだ。

     知事選では政権として全面支援した佐喜真淳(さきまあつし)氏が日米地位協定の改定を強く訴えた。公明党も協定見直しを政府に申し入れている。

     これは米軍に絡む事件・事故に苦しんできた沖縄が長年求めていることである。知事選で負けたからといって検討しないのは不誠実だ。

     沖縄の基地負担軽減は政府が一方的に進めるものではなく、ともに話し合っていくことが望ましい。

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