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三浦雅士・評 『水族館の文化史 ひと・動物・モノがおりなす魔術的世界』=溝井裕一・著

 (勉誠出版・3024円)

現代文明を鋭く映し出す

 きわめてすぐれた文化史。

 1867年、米国軍艦「エイブラハム・リンカーン」は、当時世間を騒がせていた「大海獣」を討伐するためにニューヨーク港を出た。この大海獣がじつは最新鋭の潜水艦。体当たりを喰(く)らって米国軍艦から投げ出され、逆に潜水艦に助けられた博物学者アロナックスは驚くべき光景を目にする。艦内のサロンからの眺めはまるで「巨大水族館のガラスをのぞくような感覚であった」のだ。

 これが書き出しだが、むろんヴェルヌのSF『海底2万海里』の紹介。潜水艦と水族館では大違いだが、似て…

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