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訃報

ノーベル化学賞受賞、下村脩さん90歳 長崎市内で

下村脩氏=2015年11月2日、津村豊和撮影

 生体内で生命現象を担うたんぱく質の動きや働きを知る上で欠かせない「緑色蛍光たんぱく質」(GFP)を発見した功績で、2008年にノーベル化学賞を受賞した米ボストン大名誉教授の下村脩(しもむら・おさむ)さんが19日、長崎市内で老衰のため死去した。90歳。葬儀は近親者のみで営んだ。出身校の長崎大が21日、明らかにした。

 1928年、京都府生まれ。51年、長崎医科大付属薬学専門部(現長崎大薬学部)卒。60年に米プリンストン大に研究員としてフルブライト留学した。63年に名古屋大助教授、65年にプリンストン大上席研究員、82年に米ウッズホール海洋生物学研究所上席研究員に就任。01年に米ボストン大名誉教授となった。

 60年、留学先の米プリンストン大で、発光するオワンクラゲの研究を開始。海水中のカルシウムと反応して青く光るたんぱく質「イクオリン」を発見した。62年には、イクオリンの光や紫外線を受けて緑色の光を出すGFPを見つけ、そのたんぱく質の分離や精製にも成功した。その後、生きた細胞の中で特定の遺伝子やたんぱく質の動きを追う「標識」として、GFPとその遺伝子を使う技術が開発された。

 この標識法は、創薬や生命科学を研究する上で不可欠な技術として広く普及し、ノーベル医学生理学賞受賞者の山中伸弥・京都大教授が開発した人工多能性幹細胞(iPS細胞)でもGFPで標識をつけ、どんな細胞に分化しているか追跡する研究に使われている。

 GFPの生命科学への貢献が高く評価され、08年にノーベル賞を受賞。同年、文化勲章を受章した。

 戦時中の16歳の時、爆心地から約12キロ離れた疎開先の長崎県諫早市の工場で、勤労動員の作業中に原爆を体験した。この時の経験を基に、スウェーデンで行われたノーベル化学賞の記念講演で、長崎が原爆で被災し荒廃した様子をスクリーンに映し平和の尊さを訴える異色のスピーチを行った。15年には長崎市で開かれた核兵器廃絶を目指す科学者らの国際組織「パグウォッシュ会議」世界大会に出席し、廃絶を強く訴えた。【河内敏康、浅野翔太郎】

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