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SUNDAY LIBRARY

上原 隆・評『僕の昭和史』『泥棒はスプーンを数える』

自分を守る鎧として使い分ける日本男性の一人称を考察してみる

◆『僕の昭和史』安岡章太郎・著(講談社文芸文庫/税別2900円)

◆『泥棒はスプーンを数える』ローレンス・ブロック/著 田口俊樹/訳(集英社文庫/税別1100円)

 私は、いつごろから自分のことを「ぼく」ではなく「私」というようになったのだろう。小学生の頃、「ぼくはねぇ」といってたことは覚えている。中学生になってからはどうだろう。ハッキリしない。どこかの時点で「私」に変えたのだろうが、それには何かきっかけがあったのだろうか。

 こんなことを考えたのは、安岡章太郎『僕の昭和史』を読んだからだ。この本は3章からなっている。1章は…

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