空白のカルテ

ハンセン病書かずに抵抗した医師描く

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「空白のカルテ」の本番に向け、練習に励む劇団名古屋の団員たち=名古屋市熱田区で、岡村恵子撮影
「空白のカルテ」の本番に向け、練習に励む劇団名古屋の団員たち=名古屋市熱田区で、岡村恵子撮影

 国による戦前~戦後のハンセン病患者の強制隔離政策に抵抗し、カルテに病名を書かなかった小笠原登医師(1888~1970年)=愛知県あま市出身=を取り上げた演劇「空白のカルテ」が9~11日、名古屋市で8年ぶりに再演される。劇団名古屋(同市熱田区)によるもので、団員らは2010年の初演を機に国立ハンセン病療養所「長島愛生園」(岡山県)などの療養所を訪れ、元患者と交流を続けてきた。劇団代表の谷川伸彦さん(56)は「隔離不要との意志を貫いた小笠原医師の強さを知ってほしい」と話す。【岡村恵子】

 団員らは毎年2、3回、療養所を訪れ、入所者に話を聞いた。10代のころに小笠原医師に診察を受けたという90代女性は「とてもやさしい方で、丁寧にみてくれた」と話した。この女性は当時通っていた学校の教職員に通報され、療養所に送られたという。また隔離政策時代の療養所の劣悪な環境に憤り、「(発病して)勉強しなくてもいいと言われたが、大学に行きたかった」ともらす男性もいた。谷川さんは話を聞くうちに「入所者を…

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