日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者が金融商品取引法違反容疑で逮捕された事件は、世界中に衝撃を与えた。「カリスマ経営者」が起こした不正の背景や、日産の課題について、自動車業界に詳しい識者に聞いた。【聞き手・小倉祥徳】
不透明な経営、検証せよ 佃モビリティ総研代表・佃義夫氏
事件には非常に驚いた。ゴーン前会長には何度もインタビューしたが、日本を愛し、日産を立て直したいという情熱と強い自信を感じた。パフォーマンスも多く、都合の悪い質問をかわすしたたかさも持ち合わせていたが、分かりやすい目標を掲げて実現する「コミットメント経営」で、日産の業績をV字回復させたのは事実。プロ経営者としての手腕を大いに評価していた。
合理的な性格のゴーン前会長が、既に巨額の報酬を得ていたのに、なぜ失脚につながる公私混同を行ったのか…
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