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社説

25年万博に大阪決定 55年後の成熟を見せよう

 2025年国際博覧会(万博)の開催地が大阪に決まった。5年ごとに開く登録博としては05年の愛知万博以来の日本での開催となる。コンセプトをさらに磨き世界規模の課題に取り組める万博にしてほしい。

     ロシア(エカテリンブルク)、アゼルバイジャン(バクー)と争った博覧会国際事務局(BIE)総会の投票で競り勝った。

     健康や持続可能な社会システムをコンセプトに、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)などを駆使して、未来への提案を世界に発信しようとのコンテンツが評価された。

     テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」で、会場である大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)を「未来社会の実験場」と位置付け、世界中の人と交流できる体験型の万博を目指す。

     気がかりなのは、20年東京五輪後の経済浮揚策の側面が殊更に強調されることだ。2兆円の経済波及効果で関西から日本全体の経済活性化を狙うという。バブル経済の負の遺産である人工島の活用問題で批判をかわそうという思惑も見え隠れする。

     かつての万博は、最新の科学技術や工業製品を世界へ発信した。現在は地球規模のテーマに取り組む「課題解決型」が理念として決められている。コンテンツの良さで評価されたのに、実際は経済効果ばかり追い求めるようでは理念から外れる。

     解決すべき点は多い。会場建設費1250億円は政府、大阪府・市、経済界で3等分で負担するが、経済界の調達方法は決まっていない。

     会場の跡地利用のめどは立たず、会場隣接地で誘致活動が続くカジノを含む統合型リゾート(IR)頼みだ。ギャンブル依存症などの問題を抱えるカジノが地域再生につながるか疑問である。跡地の整備計画がお粗末では「お荷物」に戻るだけだ。

     防災対策もこれからだ。南海トラフ地震で懸念される津波や液状化は、現在の想定では不十分だ。外部へのアクセスが断たれたときの孤立対策は手が付けられていない。

     1970年の大阪万博は高度成長下の関西経済の躍動を象徴した。それから55年後となる万博は「貧困や衛生問題を地球規模で解決する機会にしよう」と訴えて発展途上国にも共感を広げた。成熟した大阪の姿を世界に見せたい。

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