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荒川洋治・評 『散文精神について』=広津和郎・著

 (本の泉社・2376円)

文芸評論の意義を伝える文章

 文芸評論のよさ、すばらしさは、すぐれた小説や詩歌でも味わえないものだ。

 大正・昭和の激動期を生きた広津和郎(ひろつかずお)(一八九一-一九六八)の代表的論考の新版。作家論、散文芸術論から社会・政治論に及ぶ。大正から昭和戦前期の発表。個人と社会全体に向き合う文章の活動が見られる。

 凝縮を旨とする文芸評論では作品が数珠(じゅず)つなぎに登場。冒頭の「徳田秋声論」(一九四四)なら、…

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