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情報科教員13道県で採用せず 対応遅れ深刻

 高校の必修教科「情報科」の教員採用試験を、13道県が一度も実施していないことが、中野由章・大阪電気通信大客員准教授(情報教育)の調査で明らかになった。政府はプログラミングなどを扱う情報科を「理数系人材育成の基礎となる教科」と位置付け、2024年度から大学入学共通テストに新教科として加える方針を示しているが、教育現場の対応の遅れが浮き彫りになった。

 全都道府県を対象に、情報科が必修化された03年度以降で、情報科の教員採用試験に関する調査を実施。その結果、北海道▽岩手▽秋田▽栃木▽新潟▽石川▽福井▽滋賀▽島根▽徳島▽愛媛▽佐賀▽鹿児島――が一度も採用試験を行っていなかった。

 13道県では、他教科の免許状を持つ免許外教科担任(免外)や3年有効の臨時免許状を持つ教員、情報科と他教科の免許を持ち他教科の採用枠で合格した教員らが兼任しているとみられる。

 佐賀県は授業に使うコンピューター1台あたりの児童・生徒数が全国で最も少なく、普通教室の電子黒板整備率が最も高いなど、学校の情報通信技術(ICT)環境整備が進んでいるが、情報科枠での採用をしていない。県教委教職員課は「小規模校が多く、情報科は兼任でないと学校運営に支障が出てしまう」と説明。一方、他教科の採用試験では情報科の免許状を持った志願者に加点しており、「今後、情報科の重要性が増すことは認識している。情報科枠の採用も検討したい」としている。

 採用人数が多かったのは大阪府で、03年度以降で200人以上と突出している。東京都や兵庫県、愛知県なども50人以上いた。大都市には大規模校が多く、学校全体として情報科の授業のコマ数が増えるためとみられる。ただし、こうした自治体でも免外や臨時免許状を持つ教員が担当する事例は、他教科より多いとされる。

 情報科の専任教員が増えない背景には、大学入試センター試験の科目ではないため、学校側が時間割に最低限のコマ数しか組み込まないことがあるとみられる。中野准教授は「22年度から実施される新学習指導要領では授業の内容も専門性が高くなり、兼任の教員では対応しにくくなる。小規模校に専任教員を配置しにくいのは分かるが、情報科の優先順位を高めて配置すべきだ」と指摘している。【伊澤拓也】

 【ことば】情報科

 コンピューターの活用法や情報社会について学ぶ高校の必修教科。現行の学習指導要領では、情報社会の課題を理解させる「社会と情報」か、プログラミングなどを扱う「情報の科学」のいずれかの科目を選択して履修する。22年度から実施される新指導要領では、プログラミングを含め基礎となる「情報1」が必修、発展的な内容の「情報2」が選択科目となる。

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