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「次世代加速器」誘致支持せず 日本学術会議

国際リニアコライダー計画の国内候補地と想像図

 研究者や地元自治体などが北上山地(岩手、宮城県)への誘致を目指している次世代加速器「国際リニアコライダー(ILC)」について、日本学術会議は19日、「誘致を支持するには至らない」とする見解案をまとめた。同日の幹事会で正式決定する。誘致の最終可否は政府が決めるが、見解案は政府に慎重な判断を求めており、政府も従う見通し。推進側が目指すILCの誘致は極めて困難になった。

 ILCは、電子と陽電子を衝突させて質量の起源である「ヒッグス粒子」を調べ、宇宙の謎などに迫る施設。地下100メートルに長さ約20キロの直線トンネルを掘って建設する。建設費は約8000億円に上り、日本が誘致する場合、その半額程度を負担する必要がある。完成後も年間およそ400億円の運営費がかかるとされる。

 見解案は、ILCの費用対効果に疑問を呈し、「科学的成果が巨額負担に十分見合うものという認識に至らなかった」と結論付けている。建設時や運転時における安全性や、海外との費用負担が明確になっていない点も「懸念材料」と指摘。実験施設の巨大化についても「いずれ持続性の限界に達する」と言及し、疑義を唱えた。

 ILCは、当初長さ約30キロで計画していたが、学術会議は2013年に「時期尚早」と判断し、誘致の先送りを求めた。その後、推進側が計画を縮小。建設に協力的な欧州の研究者組織は今後5カ年の大型プロジェクトにILCを盛り込むため、建設の可否について年内に結論を出すよう政府に要望。文部科学省から依頼を受けた学術会議が可否を再検討していた。【酒造唯】

 【ことば】国際リニアコライダー

 直線状の巨大加速器。光速近くまで加速した電子と陽電子を中央で衝突させ、質量の起源とされるヒッグス粒子をつくるのが目的で、宇宙誕生直後の高エネルギー状態を再現できる。欧州の円形加速器LHCと比べ、加速のロスが少ない利点がある。

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