<科学の森>
基礎研究にカネ回らず
「床や壁は特別に防音・防振を施しています」
今年11月、横浜市緑区にある企業の一角を借りた慶応大の実験棟を、飯田訓正(のりまさ)特任教授(67)が案内してくれた。中には自動車のエンジンを模したシリンダーの実験装置が2台あり、実物と同じようにガソリンで動く。うち1台は内部の燃焼状態をレーザーで計測するため、シリンダーが透明な石英ガラス製の特注で、5000万円する。
京都など3カ所にも同様の実験施設がある。これらの整備費はほぼ全額、内閣府の「戦略的イノベーション創…
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