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MAINICHI芸術食堂

映画「家へ帰ろう」 味わい深い“光と影” /愛知

 スクリーンに娯楽大作が並ぶ年末年始に、地味ではあるが味わい深い人間ドラマをお勧めしたい。アルゼンチンとスペインの合作映画「家(うち)へ帰ろう」は、アトランタ、エルサレム、サンタバーバラなど世界各地の映画祭で称賛が相次いだ、ユダヤ人老父の人生最後の旅を描いたロードムービーだ。

 アルゼンチンに暮らす88歳の仕立屋アブラハムは、自分を施設に入れようとする娘たちから逃れ、スペイン、フランスを経てポーランドを目指す旅に出る。70年以上も会っていない親友に、自分が仕立てた“最後のスーツ”を届けるためだ。不自由な足を庇(かば)いながら遠い昔の約束を果たそうとするアブラハムは、決して「ドイツ」や「ポーランド」という言葉を発しない。そして、パリから列車でドイツを通らずに進めないかと画策するが……。

 この映画は、単なる重厚な感動作ではない。冒頭、集合写真に写りたがらない孫娘を、アブラハムがお金で買…

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