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全国とつながれ希望の「家」 中皮腫患者サイト開設

「中皮腫という病気と向き合い、希望を持って生きられるような情報を発信したい」と語る栗田英司さん(左)と右田孝雄さん=東京都千代田区で2018年12月26日、大久保昂撮影

 アスベスト(石綿)が原因で発症するがん「中皮腫(ちゅうひしゅ)」の患者2人が、治療や闘病生活に役立つ情報を集めたウェブサイト「みぎくりハウス」(https://asbesto.jp)を開設した。病名を告げられた時の戸惑い、希少な病気ゆえに仲間に出会うことの難しさ……。そんな経験を基に「ひとりじゃない。前向きに生きよう」と呼びかける。【大久保昂】

     2人は大阪府岬町の元郵便局員、右田孝雄さん(54)と千葉県鎌ケ谷市の元会社員、栗田英司さん(52)。2017年5月ごろ、闘病生活をつづった右田さんのブログを知った栗田さんが連絡を取り、親交が生まれた。2人はすぐに「全国を駆け回って同じ病気の患者を励まそう」と意気投合。同年9月に「中皮腫サポートキャラバン隊」と名付けたチームを結成し、各地で講演したり、患者団体の集まりに参加したりして、100人を超える患者と交流してきた。

     全国行脚と並行して2人が目指したのが、中皮腫の患者に役立つ情報を集めたウェブサイト作り。同じ境遇の仲間が見つからない心細さや、治療や闘病生活に役立つ情報を見つける難しさを身をもって知っているからだ。「痛みを取るにはどうしたらいいか」「医師から適切な助言が受けられない」。各地で聞いた仲間たちの切実な声も2人を突き動かした。

     今月7日に公開したサイトでは労災補償や石綿救済法に基づく救済給付といった中皮腫患者が利用できる制度を動画で解説し、新薬の臨床試験の情報も掲載した。今後も進歩が見込まれる医療の情報は専門家の助言も受けながら、随時更新していくという。インターネット電話などを通じて、全国の患者が互いの顔を見ながら交流できる機能も今後追加するつもりだ。

     2人とも末期の中皮腫と告げられており「どれだけ時間が残されているのか分からない」という。栗田さんは「自分自身、手術と再発を繰り返しながらも前向きに生きてきた。サイトを見て正しい知識を身に着けると同時に、希望を持って生きるヒントも見つけてほしい」。右田さんも「『ひとりぼっちじゃないよ』というメッセージを発信する場になれば」と話している。


    中皮腫

     肺を包む胸膜や腹部の内臓を覆う腹膜などにできるがん。大半は石綿を吸い込んだことが原因とみられている。手術で完全に切除することが難しい▽化学療法の効果が限られる――などの理由から、治療が難しいとされる。石綿被害の顕在化によって死者は増えつつあり、2017年は1555人と20年前の2・6倍に達した。

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