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加藤陽子・評 『鶴見俊輔伝』=黒川創・著

 (新潮社・3132円)

思想家鶴見を正面から描く

 亡くなって3年余となる鶴見俊輔。その名を聞いて思い出されるのは何だろう。

 『回想の人びと』(ちくま文庫)の表紙、南伸坊の手になる可愛い鶴見の横顔か。あるいは京大会館でクリームソーダを飲む鶴見か。

 いずれも穏やかな鶴見の姿だ。だが今回、黒川創が書いた評伝の表紙、ハーヴァード大学入学記念に撮影された少年の写真は、怜悧(れいり)な美しい貌(かお)をしてこちらを凝視している。

 晩年の鶴見は人を見る時、「この人は国民の中にいて自分一人の道を歩く人かどうか」を尺度とすると述べる…

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