<ka-ron>
沖縄県の玉城デニー知事が昨秋の選挙戦で第一声を上げたのは伊江島だった。周囲22キロほど。平らなサトウキビの島は、沖縄戦と戦後苦難史の縮図といわれた。
1945年4月16日米軍が上陸、6日間の激戦で守備隊将兵だけでなく、約1500人の住民が落命した。赤子を負って突撃する女性もいた。
戦後の50年代は「銃剣とブルドーザー」と表現される米軍用地の強制的接収。伊江島住民の抵抗は沖縄本島も動かして「島ぐるみ闘争」に広がり、米軍側から一定の譲歩を得た。普天間飛行場の辺野古移設反対の知事が、まずここに立ったゆえんの一つだ。
そのリーダーだった阿波根昌鴻(あはごんしょうこう)さん(2002年に101歳で死去)は戦前の青年期…
この記事は有料記事です。
残り718文字(全文1035文字)