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タンデム自転車解禁広がる 2010年5県→18年23府県 目の不自由な人などに向け

愛用のタンデム自転車を前に走れる喜びを語る外園さん=鹿児島県肝付町で2018年11月1日午後8時13分、林壮一郎撮影

 目の不自由な人も同乗できる2人用タンデム自転車の公道走行を解禁する動きが広がっている。昨年11月時点で全国23府県が解禁しており、9年前の4倍以上。観光地でのレンタルサービスや、前席でハンドルを握る「先導役」を派遣する業者もあり、普及に向けた動きも加速している。

 自転車を含む軽車両は、都道府県公安委員会が定める道路交通法の施行細則で、運転者以外の乗車は原則禁止されている。2人乗車で公道走行するには都道府県で施行細則を改正する必要があり、2010年時点で走行できるのは長野や兵庫など5県のみだった。

 そんな中、タンデム自転車で障害者を支援する団体の活動などで認知度が高まった。公道走行を解禁する動きが徐々に広がり、昨年11月1日時点で群馬や大阪、福岡など全国23府県で解禁。九州では12年に宮崎県で初めて解禁され、同県内では各地でレンタルサービスがあるなど人気だ。

視力失って10年「また走れるとは」

 宮崎県サイクリング協会の理事長で、自転車販売店を営む奥口一人さん(54)は、体験講座を定期的に開き、高齢者でもこぎやすい電動アシスト付きも開発した。「過疎地での買い物や災害時の避難にも役立ててほしい」と期待する。

 昨年11月に解禁した鹿児島県。同県肝付(きもつき)町のしんきゅう師で視覚障害者の外園健次さん(47)は「もう自転車で公道は走れないと思っていた」と喜ぶ。病気のため36歳で両目の視力をほぼ失ってから、大好きだった自転車での遠出をあきらめていた。

 タンデム自転車を体験して魅力に引かれ、自費で購入し「社会復帰ができたと実感できるほど自信が出た」。ただ、前席に乗ってもらう知人の都合もあって公道での乗車機会はまだ少ないという。

 そんな悩みに答える取り組みもある。福祉事務所を運営する合同会社「エール」(大阪府箕面市)は昨年3月から、事務所を利用する視覚障害者が希望すれば、タンデム自転車と前席に乗るヘルパー1人を派遣するサービスを始めた。

 反応は上々でリピーターも多いという。エール代表の小山結美さん(33)は「便利さ以上に、自分の力で目的地まで来たという達成感を得たくて利用する人が多い。障害があっても自由に自転車に乗れる機会を今後も増やしたい」と意気込む。【林壮一郎】

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