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たたなづく

「想い」が「形」になる国で=河瀬直美

ロサンゼルスの「TCL Chinese 6 Theatres」で、青木さん(左端)、安陪さん(右端)と=河瀬さん提供

 ショートショートフィルムフェスティバル&アジアは、俳優の別所哲也さんが20年前に立ち上げたアカデミー公認映画祭である。今年は20周年の節目にあたるということで、本場ハリウッドでの開催があり、ゲストとして登壇した。別所さんを主演にしたショートフィルム「嘘(うそ)-LIES-」の上映もあり、多くの人に作品を楽しんでいただけた。ハリウッド、アカデミー、といえば、とても華やかでゴージャス、世界的有名俳優たちが集う映画の中心地である。ヨーロッパを中心に河瀬の映画は配給されることが多く、北米のマーケットには届かないイメージを抱いていた。が、今回こうしてロスに来てみて、現地で活躍する日本人たちの横顔を見るにつけ、この国は「想(おも)い」をもって行動すれば「形」となり、それがまっとうな評価をされる国なのだ、という感覚を得た。ともすれば、日本やフランスは何かのコネクションありきでその人との交流を始めることが多く、そのつながりの輪の中に入れないと、どんなにいい作品を創っていてもなかなか見つけてもらえない場所かもしれない。しかしアメリカは、さまざまな人種の人々が暮らす国である。だからきちんとしたルールがないと成立しないので、あらかじめの契約や、それに基づく裁判などが頻繁に行われている印象だ。その場所で、謙虚に誠実に、自分の力を精いっぱい出し切ってアピールし、多くの人の共感を呼ぶようなパフォーマンスができた時、この国はその人を手放しで評価する。その分かりやすさは本当にクリアだ。つまりは、どんな場所にも自ら出向き、出逢(であ)いの中にチャンスを見つけ、アピールすることがとても重要なのだ。

 ハリウッドではその映画の職種として、特殊メイクや3Dなどの分野で、日本人特有のきめの細かさを活(い…

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