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ギャンブル依存症家族会が全国に支部設置へ カジノ解禁に危機感「怖さを知って」

大阪市内で開かれた家族の会。患者家族が集い、思いを語り合う=「全国ギャンブル依存症家族の会」提供
パチンコや競馬などの市場規模

 カジノを含む統合型リゾート(IR)開業に向けた動きが加速する中、カジノ解禁を懸念するNPO法人「全国ギャンブル依存症家族の会」(東京都新宿区)が、全都道府県に支部設立を目指す準備を本格化させている。昨年10月には青森、岡山、鳥取の3県で相次いで新たに発足し、19都府県に広がった。誰にも相談できずに孤立しがちな依存症患者の親や子どもらのケアにつなげようと、同会は救いの手を差し出す。

 同会は、山梨県内にある回復施設の家族会を母体に、2017年8月に設立。当初は、群馬▽茨城▽山梨▽東京▽新潟▽大阪▽福島――の7都府県から始まった。ギャンブル依存症の患者を持つ家族が定期的に集まり、悩みを共有し、対応の仕方を学ぶ場になっている。今年2月現在で拠点は大阪府(2カ所)や兵庫、奈良など19都府県の20カ所に増え、3年以内に空白区を埋めて全都道府県に拠点を設ける考えだ。

 昨年7月、大阪府内で2カ所目の会を大阪市内で仲間と設立した上野郁子さん(57)は約10年前、当時18歳の息子がパチスロ通いでギャンブル依存症に。上野さんの婚約指輪まで売却してパチスロ代に充てていたことで気付いた。「もう二度とやらない」という息子を信じて借金の肩代わりをしたこともあった。上野さんは「今ならそれがダメと思えるが、当時は分からなかった。でも、同じ経験のある家族と出会って、まずは自分の対応を変えることを教わった」と振り返る。

 兵庫と鳥取の会の代表世話人も兼ねる上野さん。行政や団体に直接掛け合い、定例会を開くため、仲間と現地に電車で通う。今年度は同会が国の補助金を受けたため、交通費などの経費は公費で賄われた。すでに支部のある関東地方の家族らも、新たに設置を進めようと東北などを巡っているという。

 IRの誘致を目指し、大阪府・市と和歌山、長崎両県が事業計画書を国に提出する方針だ。上野さんは国内でIRが開業すれば「これまで以上に多額の借金を抱える人が増える」と危惧する。ギャンブル依存症の患者は、外見は元気なため、病気と気付かれにくく、家族は多額の借金を抱え込む可能性がある。

 上野さんは「家族は問題を背負い込んで苦しんでいる。必要な支援につなげ、自分の人生を取り戻すための手助けをしたい」と話す。【藤顕一郎】

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