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日本に生まれ育ったイラン国籍少年の強制送還 「無効」認めず 東京地裁

東京地方裁判所=東京都千代田区で、本社ヘリから

 日本で生まれ育ったイラン国籍の少年(16)が、父親の不法滞在(オーバーステイ)での逮捕を機に入国管理局に退去強制令書を出されたのは、社会通念に照らして著しく妥当性を欠くとして、国を相手取り無効確認などを求めた訴訟で、東京地裁は28日、原告側の訴えを退ける判決を言い渡した。少年側は「ペルシャ語を話せず、イスラム教徒でもない原告が、イラン社会に適応することは困難」と主張したが、清水知恵子裁判長は少年に責任がないことを認めつつ「客観的にみれば法秩序に違反する」と判断。原告の支援者は「少年の人権を踏みにじる判決」と批判した。

原告支援者「人権を踏みにじる判決」

 訴えていたのは神奈川県に住む高校2年でイラン国籍のガセミ・ファラハッドさん。仕事を求めて1990年代に来日したイラン人の父セイフォラさん(50)と日系ボリビア人の母リリアナさん(49)の長男として2002年に生まれた。

 セイフォラさんは08年5月にオーバーステイで逮捕され、翌09年1月、当時6歳だったファラハッドさんを含む家族3人に対し、入国管理局から退去強制令書が出された。取り消しを求めて東京地裁に提訴したが、10年に敗訴。その後、ファラハッドさんは在留許可はないが身柄拘束を受けない「仮放免」の状態で生活を続けてきた。

 18年1月、(1)小学校から一貫して日本の教育を受け、あいさつ程度のスペイン語以外は両親の母語を話せない(2)友人関係も含めて日本での生活になじみ、大学進学を希望している――として退去強制令書の無効を求め、改めて提訴した。しかし、清水裁判長は、訴えを認めれば「送還忌避を容認することになる」と退けた。

 セイフォラさんは昨年10月、3回目の仮放免となり、現在は一家3人で暮らしている。しかし、仮放免のため3人とも就労を禁止され、健康保険もなく、知人らの援助で生活している。

 原告側代理人の大橋毅弁護士は「当時6歳だった原告に責任がないとしながら、本人に強制退去という責任を負わせるのは論理が通らないのではないか」と批判した。【井田純】

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