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北海道地震

半年 五輪目指す姿で恩返し 北海道・厚真移住のサーファー親子

「がんばろう厚真」のステッカーが張られたサーフボードを手にする丸山さん(左)と晴凪さん=北海道厚真町で‎2019年2月12日、倉沢仁志撮影

 昨年9月の北海道胆振(いぶり)東部地震から6日で半年。2月21日には、北海道厚真町で余震活動とみられる震度6弱の揺れを観測したが「がんばろう厚真」を合言葉に五輪出場を夢見る親子がいる。丸山聡史さん(46)と長男の晴凪(はるた)さん(12)。2020年東京五輪で実施されるサーフィン競技で、厚真町初の五輪選手を目指す。【倉沢仁志】

    サーフィンができない冬場、晴凪さんは家の中にスケートボード用の台を置いて練習に励んでいる=北海道厚真町で2019年2月12日、倉沢仁志撮影

     名古屋市出身の丸山さんは、大学時代から北海道でスキーにのめり込み、卒業後も理学療法士として札幌市に残った。32歳の時に初めてサーフィンを知り夢中になり、10年前に良質な波で知られ、多くのサーファーが集う厚真町に移住した。

     晴凪さんは小学3年の15年からサーフィンを始めた。翌年にサーフィンが東京五輪の追加競技に決まり「子供が頑張る目標ができた」と丸山さん。晴凪さんが掲げた夢は「五輪で金メダル」だ。

     丸山さんは「せっかくなら他の子も一緒に」と17年に少年団「ABCジュニアサーフ」を設立した。海水が冷たい冬場は、廃校になった体育館を借りてスケートボードで練習した。20人未満の小さなクラブだが、それぞれの目標に向かって穏やかに活動していた。

     しかし、昨年9月6日、状況は一変する。その日の未明、丸山さん一家は地響きと家がきしむ音で目を覚ました。丸山さんは「サーフィンで言うと、波にのまれるワイプアウト状態。家が潰れて下敷きになるかと思った」と振り返る。家の中は食器やサーフボード、重さ150キロのまきストーブなど、あらゆるものが散乱していた。

     停電に加えて道路は一部陥没して車は使えず、断水も続いた。丸山さんらは動ける人で避難所などで食料や水を確保して、住民に配った。サーフィンの仲間たちも全国から駆け付けた。サーファーは海から上がると持参した水で体を洗うため、ポリタンクを常備している。水を入れる容器が鍋しかないという住民もいたが、次々と仲間が持ってきたポリタンクは大活躍した。

     丸山さんの自宅は所々にヒビが入り、床が傾くなどして大規模半壊と認定された。仮設住宅に入る選択肢もあったが、寒さや子供のストレスを考え、被災後も自宅で生活を送った。廃校の体育館には支援物資が置かれ、クラブの仲間とスケートボードの練習ができていない状況だ。

     震災後間もなく、丸山さんは息子のサーフボードに1枚のステッカーを張った。「がんばろう厚真」。丸山さんは「五輪を目指して頑張っている子がいるのは励みになる。全国からの支援にお返しする時には、まず頑張っている姿を見せるのが大事」という。

     厚真町の出身者は夏季、冬季を通じ、五輪代表の選手はまだいない。

     晴凪さんは「厚真町が好き。この町から五輪に出て夢をかなえたい」と力強い。春からは再び、夢に向かって波に乗ることを願っている。

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