メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

VOICES

「この国に民主主義は存在するのか」 県民投票の会・元山代表

首相官邸前で、辺野古沖の埋め立てに抗議する人たちの前でスピーチする元山仁士郎さん=東京都千代田区で2019年3月1日、丹治重人撮影

 沖縄県名護市沖の埋め立てに7割超が反対した県民投票(2月24日)の中心にいたのが「『辺野古』県民投票の会」代表の元山仁士郎さん(27)だ。同会で県民投票条例制定の請求に必要な数の署名を集めたうえ、宜野湾など5市長が投票事務執行への協力を拒否した際にはハンガーストライキ(ハンスト)で抗議し、全県での投票実施につなげた。投票で「反対」の民意が示された後も埋め立て工事が続く状況に何を思うのか。「この国に民主主義は存在するのか」と憤る元山さんに話を聞いた。【写真映像報道センター・丹治重人】

「本土の皆さんはどう思う?」とむしろ問いたい

――5市が不参加表明した時、なぜハンストに踏み切ったのですか?

 条例制定のために集めた10万人以上の署名を決して無駄にしたくありませんでした。それに、5市に住んでいる方々の投票権をしっかり守りたいという思いもありました。実際、5市長の態度はハンストをしても変わらなかったのですが、幸い県議会や県当局が汗をかいてくれて選択肢に「どちらでもない」を加えることで全県実施が実現したので、すごくやってよかったと思います。各政党や政治家の方々が主義主張を乗り越えて全県実施をしていただけたのは本当にすごいな、格好いいなと思います。

――投票で民意が示された後も工事は続いています。どう思いますか?

 むしろ「沖縄県外、本土に住んでいる皆さんはそれをどう思いますか?」と逆に聞きたいです。自分たちが住んでいる地域で、国が進めている政策に対してみんなで話して悩みながらも意思を示そう、(政策を)決めるプロセスに参加しようとしている中で「あなたたちが意思を示しても関係ないですよ。国はやりますよ」と言われたらどう思うでしょうか。

――本土に住む人や政権には沖縄の声が伝わりづらいと感じている?

 だからこそ今回は「辺野古の埋め立て」という一つの争点に絞ったわけで、これで聞いてもらえないというのであればこの国の民主主義というのは本当に存在するのか、人権や自由が本当にあるのか疑問に思わざるを得ません。なぜ沖縄で2回も県民投票をやらなければならなかったのかということを、あるいはこれまでの沖縄の歴史などをいろいろ考えていただきたいです。

沖縄を「議論のできる島」に

県民投票の結果を受けインタビューに答える「辺野古」県民投票の会代表の元山仁士郎さん=那覇市で2019年2月24日、丹治重人撮影

――10年後の沖縄についてどんな未来を思いを描いていますか?

 10年後も100年後も変わらないと思うのですが、沖縄に住むひとりひとりが自分の感じていることや考えていることを発言できるようになり、それをみんなで議論し、取り組むべきことがあれば実行していけるような島になっていけばいいなと思います。

 沖縄の人口は日本全体の1%程度でしかありませんが、そこにこれだけの大きな問題を抱えています。自分たちで解決したいけれども、それを解決するのはなかなか難しい立場に置かれてしまっています。制度上の問題点もあるし、構造的な差別もあると思います。それらはすべて日本に住んでいる人たちの意識や行動が変わらなければ、なかなか変わっていかないと思います。自分には関係ないと思っている人もいるでしょうが、「なぜ米軍基地が集中しているのか」「なぜ(基地に関係する)事件や事故が起きても国側が変わらないのか」などと、少しでも沖縄のことを考えてもらいたいです。

プロフィル

もとやま・じんしろう 1991年、沖縄県宜野湾市生まれ。「辺野古」県民投票の会代表。一橋大学大学院で日米外交の歴史を研究していたが、県民投票運動のため休学。今年4月から復学予定。

おすすめ記事

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 年金事務所長、ツイッターでヘイト発言し更迭
  2. 森昌子さん引退へ 公式HPで発表
  3. 名古屋・栄地区活性化に 情報発信スポット「S.Core」開設へ 松坂屋
  4. 盛岡大付が延長サヨナラ 21世紀枠石岡一、最後に力尽きる
  5. 特集ワイド ノーベル賞さえ取引材料? トランプ氏「安倍首相に推薦された」

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです