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「一度、すってみてください」。那智勝浦町にある山口光峯(こうほう)堂では皇室に献上するすずりを作っている。屋号を受け継いだ二代目の山口光峯さん(74)は、手彫りのすずりにこだわる。興味を持ってくれる人には、すずりと墨を手渡し、墨をする体験を促す。「言葉ではうまく説明できないが、体験してもらえば本当に良いすずりかどうか分かるはず。自信があるから勧めるんです」と話す。
山口光峯堂は1937年、先代が創業。昭和天皇が同町をご旅行された62年5月、両陛下に初めてすずりを献納した。これが縁で、その後も県を通じて皇室にすずりを献上している。
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