文部科学省は、中学校のような教科担任制を、小学校にも導入することを考えています。本当に導入するかどうかを決めるため、中央教育審議会という会議で専門家らによる話し合いが始まりました。4月18日(一部地域は19日)の毎小でこのニュースを伝え、読者のみなさんの意見を募りました。小学生のみなさんから寄せられた主な意見を紹介します。
■歓迎します
●教科を楽しく学べる
私は3年生で始まる理科をできるかどうか不安でした。でも、理科が専門の先生に習ったら、思ったより理科が楽しいなと思いました。教科担任の先生は、その教科のことを私が楽しく学べる方法を知っているのかもしれません。(茨城県つくば市、小3、浅原芙香さん)
●世の中と同じに
理由は、毎日いろんな人と話す(授業を受ける)ことは大切だと思うからだ。この世の中はたくさんの人がいる。毎日いろんな大人と話すことで、世の中がわかることができると思う。また、1人の先生が全教科を持つと、当然、同じ子と一緒にいる時間が長くなり、気の合う合わないで不公平な成績の付け方になるかもしれない。
ぼくの学校では、ほとんどの教科を担任の先生が持つうえに、チャイムがないため、いつも6時間目がつぶれる。なぜなら授業がのびるからだ。そういう点をなくすためにも教科担任制がよいと思う。(東京都小平市、小4、竹下雄惺さん)
●気に入っています
私が通う小学校は、3年生から英語、理科、音楽、図工の4科目が教科担任制になっています。良いところは、たくさんの先生とふれあえることです。質問にくわしく答えてくれるのでとても分かりやすいです。音楽会の前には、1、2年生も音楽の先生に教えてもらうので、毎年、音楽会は素晴らしいです。私は教科担任制が気に入っています。(兵庫県神戸市、小5、辻川葵さん)
●熱の入った授業
教科担任制がよいと思います。担任の先生の負担も軽くなりそうだし、ずっと同じ先生とつき合うこともなさそうだからです。それに、専門の先生が教えてくれるので、授業が面白くなりそうだからです。学級担任制だと、好きな授業が全然盛り上がらずに終わったり、クラスで起きた問題を話し合う時間になってしまったりしました。
教科担任制でも不都合は出てくると思うけれど、そのときはそのときで解決していけばいいと思います。(大阪府茨木市、小5、佐々木蒼昊さん)
■学級担任制がいい
●できない学校も
授業の難しさや簡単さはどちらも変わらないはずなので、最初はどっちでもいいと思っていましたが、最近考えが変わりました。理由は、教科担任制にするには先生が足りない学校がある▽お金がかかって大変▽一人一人の子どもの性格を教科担任制では把握しにくい--こんな短所があるからです。(大阪府茨木市、小5、佐々木快晴さん)
●名前で呼んでほしい
ぼくは担任の先生に全教科をやってもらいたいです。理由は、授業中に当てるときは、名前で呼んでもらいたいからです。今、教科担任制の英語と音楽の授業で先生に指されるとき、誰を当てようとしているか分かりづらいです。(神奈川県川崎市、小5、井上陸さん)
さらに考えてみよう
小学生のみなさんからは教科担任制に期待する声が多かったのですが、大人からは学級担任制を支持する意見が目立ちました。学校は授業をするだけでなく、子ども一人一人を理解して導くところで、そのためには先生が子どもたちと接する機会が多い方がいいといった理由です。
学級担任制も教科担任制も、どちらも「やり方」であって、それによって何を実現したいのかが大切。つまり「学校は何をするところか」から話し合わないといけないのかもしれません。そのうえで、学級担任制と教科担任制のどちらが望ましいのか考えてみましょう。意見を紹介した大阪府茨木市の佐々木快晴さんと蒼昊さんは家族で話し合ったそうです。みなさんも周りの人と話してみませんか。【望月麻紀】<え・内山大助>