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私だけの東京・2020に語り継ぐ

著名人へのインタビューを通じて、東京の魅力を再発見します。

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作家・室井佑月さん 「自分の足で立つ」決心の街

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作家の室井佑月さん=奥村隆撮影
作家の室井佑月さん=奥村隆撮影

 これまで49年間生きてきて一番長く暮らした場所が東京・新宿なんです。2000年に息子を産んで、ちゃんと自分の足で立つんだ、自分が家族を支えるんだと決心して住み始めた街。海外から帰国して空港リムジンバスの窓から新宿の古ぼけたビルが見えてくると、「故郷に帰ってきたなあ」って感覚になります。今の自分は新宿出身みたいな感じです。

 離婚して息子と2人になった時に、誰からも「出て行け」と言われない家が欲しかった。新宿に決めたのは、仕事をバリバリ頑張って子どもを育てていくんだという気持ちが強かったから。なるべく仕事場に近い場所に住もう、古くてもいいんで。息子はいつか独立して出て行くんだし、多少狭くてもいいやって。都心なら友達も立ち寄ってくれるだろうし、1人になっても寂しくないだろうと。そしたら実際、みんな飲んだくれに来るし、息…

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