- ポスト
- みんなのポストを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷
「近代日本経済の父」と呼ばれ、2024年に刷新予定の新1万円札の肖像に決まった実業家、渋沢栄一(1840~1931年)が書いたとみられる書簡が桐生市で見つかり、5日から一般公開されている。専門家は「当時の渋沢の足跡を裏付ける資料」と話している。
書簡は、1910(明治43)年8月19日付。当時の同市内の3人の実業家に宛てて書かれていた。同市在住の郷土史研究家の奈良彰一さん(72)が、この書簡の存在を知り、数年前から紛失を避けるため信頼できる知人に引き取ってもらっていた。今回、改めてその内容を確認した。
同市内では当時、現在の群馬大工学部の前身となる桐生高等染織学校の設立を求める運動が起こり、書簡はこの運動への協力を求められた渋沢が3人の実業家に返事をしたものとみられる。「桂首相ニ罷越(まかりこ)し地方実験ニ頗(すこぶ)る必要ニ相感候旨をも懇(ねんごろ)ニ申述候処」などとの記述があり、渋沢が当時の桂太郎首相に会って学校設置について話し合っていたことをうかがわせている。
この記事は有料記事です。
残り253文字(全文693文字)