強大台風19号 列島のみ込む暴風 連休初日、外出できず

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 3連休の初日、台風19号が列島を直撃した。首都圏の鉄道各社は相次いで計画運休を実施。東京駅では運行状況を問い合わせる客らが列を作る一方、営業を取りやめる店舗もあった。

 台風の影響で東京―名古屋間の東海道新幹線は朝から終日運休し、東北新幹線なども午前11時過ぎから本数を減らした。

 構内は普段よりも人通りが少なく、「臨時休業」と書かれた張り紙をする土産店も。開いている店舗も午前中までの営業に変更していた。

 雨は早朝から強くなる一方で、丸の内中央口改札前では天井から雨水が染み出していた。モップやスポンジで職員が対応に追われていた。

 構内ではキャリーバッグを引き、午前の便で急いで観光地に向かう人も少なくない。新幹線の改札前では、駅員に電車の運行時間などについて問い合わせをする客が列をなし、待合室は新幹線を待つ観光客らで埋まっていた。

 横浜市都筑区から来た会社員、高橋紀昭さん(51)は「妻と2人で函館に行く予定。自宅が心配だが、半年前から予約していたので行くことにした」と話した。

 山形県米沢市の会社役員の男性(65)は台風のため帰宅を早めたという。「山梨県などに2泊していた。妻が11日に来て、あと2日はいるつもりだったのに」と話した。【井川諒太郎】

訪日客、身動きとれず

 JR大阪駅(大阪市北区)では、通勤客や観光客が改札付近に掲げられた計画運休を知らせる張り紙を見ながら、今後の運行状況に気をもんでいた。

 名古屋市から訪れた大学1年の女性(18)は、友人と訪れる予定だったユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)=大阪市此花区=が休園に。「仕方ない。梅田周辺のお店を回って、早めにホテルに行きます」と話していた。

 大阪市内である大学院の入試に向かう途中だった男子大学生(22)は、2時間ほど余裕を持って駅へ到着。「運行計画がどうなるか分からないので早めに来た」と苦笑した。

 運送会社で働く奈良県大和郡山市の男性(58)は昨年、取引先の荷物を保管していたテントが台風で壊れた。この日は同じ被害が起きないよう警戒するため出社する途中といい、「帰るとき電車が動いているか心配だ」と語った。

 京都市内では世界遺産の二条城のほか、京都国際マンガミュージアム、東映太秦映画村などが終日休みに。観光地は閑散としていた。【野田樹、添島香苗】

福岡空港、飛び立てず

 福岡空港(福岡市博多区)では12日、関東や関西と結ぶ便を中心に多くのフライトが欠航となり、3連休初日にもかかわらず保安検査場などは閑散としていた。

 福岡で乗り換え予定だったグアム便が欠航した那覇市の男性(50)は「明日の便が取れなければ沖縄に帰ることになるかもしれない。台風のあおりを受けてしまった」と困惑した様子だった。また、立ち寄る人がまばらな土産物店の従業員は「今までは台風でもこれほど減ることはなかった」と話した。

 一方、早朝の羽田便は一部運航した。12日夜に福岡市内であるラグビー・ワールドカップの試合観戦のためにアイルランドから訪れた会社員のビリー・クインさん(48)は「昨晩東京に着き、飛行機が飛ばないかもと言われたため、レンタカーを予約した。飛んでくれてよかった。熱心なサポーターなので試合が楽しみだ」と笑顔で語った。【加藤小夜】

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